24年大統領選はニューサム対デサンティスに? 民主党支持者の64%「バイデン氏以外」

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(6月24日)|Rich Pedroncelli / AP Photo

 アメリカでは今年11月に中間選挙が行われるが、いまそれよりも注目を集めているのが、波乱が予想される2024年の大統領選である。その理由の一つは、2020年1月6日に起こった連邦議会議事堂襲撃事件を調査する1月6日委員会による公聴会や、ジョージア州やニューヨーク州での犯罪捜査によりトランプ前大統領が追い詰められていることから、2024年の大統領選出馬を早めるのではないかという憶測が囁かれていることだ。このまま進めば、トランプ氏が2024年大統領選前に訴追されるという可能性も日に日に現実味を増している。そのようななか、トランプ氏が出馬しない場合を考慮し、共和党が擁立しようとしているのがフロリダ州のロン・デサンティス知事である。

◆共和党にデサンティス氏擁立の動き
 ロン・デサンティス氏は2018年のフロリダ州知事選において僅差で勝利し、翌年就任。それから1年ほどでパンデミックに見舞われたが、CNNによると、新型コロナウイルスのワクチン接種義務付けを拒否し、接種義務を課した企業や病院に罰金を科す法律を作るなど、連邦政府の規定やバイデン大統領に反抗。また他州のようなマスク着用令も発令せず、一時は全米一の新型コロナホットスポットとなった。そしてその後、「Don’t Say Gay(ゲイと言うな)」法を施行して、同州一の雇用主であるディズニーとトラブルに陥るなど、絶対君主的な言動が目立つ人物である。しかし、その傲慢ともいえる「強さ」が逆に共和党員に人気を呼んでおり、あのイーロン・マスクもデサンティス氏支持を表明している。現在のところ同氏は出馬について触れておらず、同州在住のトランプ氏の動向を窺っていると思われる。

 7月に実施された2024年大統領選共和党候補に関するニューヨークタイムズの世論調査では、トランプ氏が現在も一番人気ではあるものの、その支持率は49%と、ついに過半数を割った。そして大差ではあるが、デサンティス知事が25%で2位となっている。6月後半に行われたハーバード大学の世論調査でもトランプ氏が56%で1位、2位は16%でデサンティス氏だった。ほかの候補者はみな一桁台であるため、もし何かの理由でトランプ氏が出馬しない場合は同知事が共和党候補となる流れができてきていると言えるだろう。しかしデサンティス氏は全国的にまだ知名度が低く、同調査では、現時点でカマラ・ハリス副大統領と対戦した場合、ハリス氏が39%、デサンティス氏が37%で、僅差ではあるがハリス氏が勝っている。

Text by 川島 実佳