24年大統領選はニューサム対デサンティスに? 民主党支持者の64%「バイデン氏以外」
◆民主党64%がバイデン氏以外を希望
一方、パンデミック後のインフレと、ロシアによるウクライナ侵攻による急激なガソリン価格高騰から、バイデン大統領の支持率はここ数ヶ月間40%以下に低迷中だ。1月6日事件をはじめとするトランプ氏の捜査の進み方が遅いことや、一般市民の経済的困窮、連邦最高裁により「ロー対ウェイド」が覆されたことなどから、人々が不満を募らせていることは想像に難くない。決して政府や大統領の責任とは言えないことでも、現在のアメリカにはどことなく暗い雰囲気が立ち込めていることから、人々の不満がバイデン支持率の低迷に繋がっていると言えるだろう。
2024年の大統領選時にバイデン氏が81歳の高齢になることも人々に不安を感じさせている。またバイデン氏は積極的に表に出て発信したり、人々を引っ張ったりするタイプではない。しかし低迷中のいまのアメリカで人々が欲しているのは、この国を力強く率いることができる、もっと若々しく新しい人物なのだろう。ニューヨークタイムズの世論調査によると、民主党支持者の64%がバイデン氏が2024年の大統領選に出馬すべきでないと考えているという。
◆2024年はカリフォルニア対フロリダか
そのようななかで、民主党の新たな大統領候補として台頭してきたのが、デサンティス氏と対照的なカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム知事だ。ニューサム氏は最近、大統領選出馬を意識してか、同州内外で目立った動きを見せている。7月7日には糖尿病治療に欠かせないインスリン価格抑制のため、同州内で製造を行うことを発表。また、7月12日には銃による暴力の被害者が銃製造業者を提訴することを可能にする法律に署名した。同州ではすでに厳格な銃規制法が施行されているが、これでさらに銃製造業者が銃の販売をしにくくなることになる。これは無差別銃撃事件が続発するアメリカで同州が銃規制に真剣に取り組んでいることをアピールする結果となった。
さらにニューサム氏はトランプ氏のソーシャルメディアプラットフォームである「トゥルース・ソーシャル」に登録し、共和党政策を批判する投稿を行っている。またABCニュースによると、同氏は人気トークショー番組に出演して、デサンティス氏の新型コロナ政策を批判したり、独立記念日にフロリダ州でデサンティス氏を批判するキャンペーン広告を流したりするなど、デサンティス氏を牽制したり対抗したりする言動も増えてきている。
カリフォルニア州のニュースラジオ局600 KOGOによると、ニューサム氏は7月13日からワシントンDCを訪問している。同記事によると、訪問の目的は教育コミッションからの賞を受け取ることであるというが、大統領選出馬に向けた伏線として自分の存在を全国的にアピールする狙いもあるだろう。どうやら2024年の大統領選は「ニューサム対デサンティス」になる可能性が高くなってきたようだ。
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