ワクチン未接種者への制限強めるフランス、カナダ 大統領が「挑発」も

Jeremias Gonzales / AP Photo

 フランスではマクロン大統領が、ワクチン接種済みでない人々を、事実上、公共の場から締め出すことでワクチン接種を促進する動きが進んでいる。一方、カナダのいくつかの州では、ワクチン接種証明書がないとアルコールや大麻を購入できないようにするという新たな措置が導入され、その効果が注目されている。その詳細とは。

◆マクロン大統領の「挑発」
 フランスは、昨年7月21日からワクチン接種もしくはコロナウイルス陰性を証明する衛生パスポート(pass sanitaire)を導入。当初は50人以上を収容する公共の場に入場する際、衛生パスポートが求められていたが、その後8月からは、長距離列車、レストラン、テラス席を含むカフェなど、より多くの場所において衛生パスポート提示が義務付けられている。現時点で、このルールは12歳以上が対象。現在、人口の約4分の3、対象年齢の人口では約9割がワクチン接種済み(2回以上)。先月、5〜11歳の子供に対するワクチン接種が開始した。世界的に見れば高いワクチン接種率ではあるが、マクロン大統領は400万人ほどいるとみられるワクチン未接種者に対して挑発的な姿勢を見せている

 マクロン大統領は今月初め、フランス最大の日刊新聞ル・パリジャンのインタビューに応じ、ワクチン接種義務化の議題にも触れた。マクロンの、ワクチン未接種者を「煩わせて」やりたいといったようなニュアンスの発言(”Les non-vaccinés, j’ai très envie de les emmerder”)が波紋を呼んだ。フランス語の「emmerder」は「merde」から派生した動詞で、直訳すると「くそくらえ」といったような言葉だが、そのニュアンスを組んだ翻訳は難しい。苛立たせる、うざがらせる、もしくは見放すといったような意味合いが含まれているようだ。マクロン発言の文脈では、ワクチン未接種者の暮らしを生きづらいものにするといった訳が当てはまる。いずれにしても、ワクチン未接種者に対しての、意図的かつ挑発的な発言であることは間違いない。

 フランスでは1月15日から新たなルールが適用される予定で、衛生パスポートの取得要件から、コロナウイルス陰性証明が外される。つまり、ワクチン接種が完了していない限り、衛生パスポートが取得できず、結果、ワクチン未接種者はレストラン、カフェ、交通機関、映画館といったような場所から事実上、締め出されることになる。マクロン大統領は、全面的なワクチン接種を義務付けているわけではないが、ワクチン未接種者に対する姿勢に対して、対立党派の政治家らは非難の声を浴びせた。世論調査では、国民の3分の2が公共の場でのワクチン接種義務化を支持しているとする一方で、23%は断固反対との回答を示した

Text by MAKI NAKATA