飲食店・電車などに接種証明が必要に フランス、ワクチン促進を強化
◆置いてけぼりの海外駐在員たち
しかしながら、これらの措置は問題もいくつかはらんでいる。そのうちのひとつが約250万人とされる国外在住のフランス人だ。たとえば中国では、フランスで承認されているワクチンは手に入らない。中国のワクチンを打っていなければ再入国が難しくなるため、中国在住の外国人には中国製ワクチンの接種を受ける人が多い。だが、中国製ワクチン接種記録では、フランスの衛生パスは手に入らない。
またたとえフランスで承認されているワクチンであっても衛生パスが入手できるわけではない。日本で用いられるファイザーワクチンはフランスでも承認され広く用いられているが、日本でファイザーワクチンを受けても、フランスの衛生パスは獲得できない。
これは、これまでのフランス政府の勧告と矛盾する。なぜなら、フランス政府は、国外在住フランス人に対して、フランスが承認しているワクチン接種が可能であれば、居留国で接種するようにと勧めてきたのだ。その勧告に従って居留国でワクチン接種を済ませた国民は、この夏フランスに帰国しても、電車にも乗れなければ、ショッピングセンターにも入れないことになる。このあたり、何らかの相互承認が必要と思われるが、筆者が在日フランス大使館に問い合わせたところ、いまのところそういう検討はされていないという返答だった。
とはいえ、マクロン大統領スピーチの翌日の13日、フランスは、6950人の新規感染者を記録した。これは6月初旬以来の高い水準だ。いま対処しなければ後がないというタイミングであることは間違いないであろう。
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