FB、トランプ氏アカウントを2年間停止 2024年出馬は困難?

ノースカロライナ州の共和党大会で演説するトランプ前大統領(6月5日)|Chris Seward / AP Photo

 トランプ氏は一般に人気が高いソーシャルメディアから総スカンを受けたことから、今年5月に入り自分の発言プラットフォームとしてブログを開設したが、ワシントンポスト(電子版)によると、読者数の少なさをニュースメディアなどにからかわれたことに腹を立て、開始後わずか29日でブログを閉鎖してしまった。同記事によると、トランプ氏のブログはアメリカのペット探しサイト『Petfinder(ペットファインダー)』や料理レシピサイト『Delish(デリッシュ)』よりもアクセスが少なかったという。

◆メディア露出を狙い共和党大会に出席
 そんな厳しい状況下でも、トランプ氏はメディアへの露出を増やそうと必死だ。6月5日にはノースカロライナ州で開催された同州共和党大会に出席してスピーチをした。ABCニュースによると、そこでもまた2020年の大統領選が「インチキだった」と発言した。また2022年の中間選挙について「アメリカの生存はあらゆるレベルで共和党員を当選させることにかかっている」と述べた。また記事によると、同大会ではトランプ氏の息子エリック・トランプ氏の妻で、2022年にノースカロライナ州の上院議員選挙に出馬すると噂されていたララ・トランプ氏が出馬を見送ることを公表した。トランプ氏はその場で2024年を「楽しみにしている」と述べ、大統領選出馬をほのめかしたものの、現在ニューヨーク州で自身の会社トランプ・オーガニゼーションに対する刑事捜査が本格化しており、またジョージア州でも選挙法違反で捜査を受けている身であるためか明言することは避けた。

 トランプ氏が出馬を決意した場合でも、2016年の選挙と違い、ソーシャルメディアから「出禁処分」を食らった身では、選挙運動をすることも難しいだろう。どちらにしても、トランプ氏の今後の動向と運命は刑事捜査の行方と2022年の中間選挙の結果にかかっていると言えそうだ。

【関連記事】
ソーシャルメディア締め出し、発言の場を失うトランプ氏
ソーシャルメディア各社、トランプ氏アカウントを凍結処分
誤情報拡散で民主主義の危機? バイデン政権「SNS規制」の可能性

Text by 川島 実佳