FB、トランプ氏アカウントを2年間停止 2024年出馬は困難?

ノースカロライナ州の共和党大会で演説するトランプ前大統領(6月5日)|Chris Seward / AP Photo

 今年1月6日、大統領選で敗北したドナルド・トランプ前大統領が自身の支持者を扇動して起こった連邦議会議事堂襲撃事件から、はや5ヶ月が経過した。事件が起こった背景には、トランプ氏がツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを駆使して誤情報を拡散していた事実があった。事件後、トランプ氏はツイッターをはじめほぼすべての主なソーシャルメディアからアカウント停止処分を受けたことは記憶に新しい。その後1月20日にはジョー・バイデン大統領が就任。自由に発言する機会が限定されたことから、トランプ氏の政治や社会への影響力はまだ大きいものの、在任中と比較すれば確実に薄れてきている。

◆フェイスブックは今後2年間アカウント停止に
 トランプ氏のお気に入りのソーシャルメディアだったツイッターは、襲撃事件直後にトランプ氏のアカウントを永久停止処分としたため、少なくとも現時点においてはトランプ氏のアカウントが再開される可能性はない。一方、フェイスブックはトランプ氏の在任中は同氏政権に対して日和見的な対応をしてきたものの、事件後トランプ氏のアカウントを無期限で停止処分としたが、同社監視委員会の決定によってはアカウント再開が許可される可能性もあった。

 NBCニュースによると、5月5日に行われた監視委員会はフェイスブックによるトランプ氏アカウント停止処分を支持。しかし、停止処分がいつまで続くのか明確にする必要があると述べていた。これを受けてフェイスブックは6月4日、トランプ氏のアカウント停止処分が少なくとも今後2年間続行されると公表。2年間といっても、2年後に確実に停止処分が解かれるわけではない。ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR、電子版)によると、2年後以降にトランプ氏による「公衆を危険にさらす可能性が減少した場合」のみ同氏のアカウント再開を許可する意向という。これにより、少なくともトランプ氏のフェイスブックアカウントが2022年の中間選挙前に再開される可能性はなくなった。もし2023年にアカウントが再開されても、トランプ氏が以前と同じように誤情報を流した場合、再び公衆(または国家)への危険とみなされて即停止処分となる可能性が高い。

Text by 川島 実佳