スタバ元CEO、無所属で大統領選出馬を検討 “反トランプ票割れ”恐れる民主党

Elaine Thompson / AP Photo

 2020年の大統領選まであと1年9ヶ月と迫ったアメリカで、今民主党議員が続々と大統領選出馬を表明している。そんななかで、異色の人物が1人出馬を考慮しているとして名乗りを挙げた。スターバックスの前CEO、ハワード・シュルツ氏である。

◆「反トランプ票が割れる」民主党がシュルツ氏阻止へ?
 シュルツ氏は1月27日、米CBSの報道番組『60ミニッツ』に出演。これまで民主党員として活動してきたが、現在民主党も共和党も「アメリカ国民のために働いていない」と述べ、無所属として2020年の大統領選出馬を考えていると話した。

『60ミニッツ』のインタビューによると、ニューヨークの貧しい家庭で育ったシュルツ氏は、シアトルに移住後スターバックスコーヒーを立ち上げ、短い間に世界77ヶ国3万店舗を有する巨大企業に育て上げた人物だ。シュルツ氏は同番組で移民政策や気候変動などについて自分の意見を述べているが、ビジネスマンとしての手腕はあっても、政治家としての経験は大統領就任前のトランプ氏と同様皆無である。

 シュルツ氏の「無所属として出馬」発言を受け怒ったのが民主党だ。同党では、2020年大統領選での「打倒トランプ」に向け、民主党候補から票を奪う可能性がある無所属候補出馬を何としても阻止したいところである。普段は無所属の上院議員であるバーニー・サンダース氏も民主党と同じ意見のようで、2016年同様無所属として出馬することはないとみられている。シュルツ氏は政治経験はないがスターバックスの前CEOとして名前が知られているため、出る杭は今のうちに打っておきたいのが本音だろう。

Text by 川島 実佳