産休から復帰、ニュージーランド首相インタビュー 「国民のニーズに応える」

Derek Henderson / Jacinda Ardern via AP

 授乳。おむつの交換。寝かしつけ。

 6月に第一子を出産したニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(38歳)にとって、目下最大の関心事はこの3つだ。生まれたばかりの赤ん坊を世話する機会を持ったことで、幼い子どもを持つ人々がなぜ政治に目を向ける余裕がないかを理解できたという。

「政治に関心があるか否かはさておき、国民のニーズに確実に応えることが私たちの仕事です。その思いが私の中で大きくなっているのです」

 娘のニーブちゃんを出産後6週間の休暇を取得し、8月2日から職務に復帰したアーダーン首相は同日、オークランドに所有するバンガローでAP通信のインタビューに答えた。

 近代において任期中に出産した2人目の、そして産後休暇を取得した初の公選首相となったアーダーン首相は、世界中の働く母親たちに感動を与えた。彼女の元へ、遠くオランダやインドの母親たちからも祝福の便りが届いたという。

 産後休暇を終えたアーダーン首相は、これから主にニーブちゃんの世話をすることになるパートナーのクラーク・ゲイフォード氏と、効果的な役割分担ができることを証明したい、と意気込みを語った。

「復帰して公約を果たしたいと思っています」

 一国の首相でありながら働く母親のロールモデルとなることにプレッシャーを感じるか尋ねると、親になれば誰でも多かれ少なかれプレッシャーを感じるものだと答えた。

「私はたまたま公職にありますので、その一点が違っていると思います。でも、いつか、公人であることが違いではなくなってほしいですね」

Text by AP