◆栄養価が低いのに、次々に食べたくなる
　超加工食品が健康に悪影響を与える理由は、はっきりと解明されていない。だが、一般に超加工食品は、飽和脂肪酸や塩分、そして砂糖などが多く含まれる一方で、栄養価は低い。こうした食品の摂取が身体に負担をかけている可能性があるだろう。また、添加物が健康に悪影響を及ぼす可能性も指摘されている。

　サイエンティフィック・アメリカンによると、超加工食品を過剰に摂取することで、腸内微生物の構成が大きく変わってしまうことがある。腸内細菌叢（腸内フローラ）は免疫システムと密接に関連しているほか、精神健康状態とも関連が深いとされる。

　同誌はまた、超加工食品がなぜこれほどまでに人々をひきつけるのかについての研究を紹介している。たとえば、ポテトチップスを一枚だけ食べて止めることはほぼ不可能で、もっと食べたくなってしまう。一説には、人工的な成分で作り出された旨さが影響しているという。

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　2021年の研究では、特定の成分の組み合わせが食欲を必要以上に増進することが示された。脂肪と砂糖、脂肪と塩分、炭水化物と塩分の組み合わせで、それぞれ含有量が高い食事を提供されたとき、被験者たちはより多くのカロリーを摂取する傾向があったという。自然界ではほぼ存在しない、脂肪、塩、砂糖の組み合わせが、人工的で抗いがたいおいしさを生み出している。

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