世界中の珍しい生き物15選|かわいい動物からおすすめ図鑑まで紹介

世界中の珍しい生き物15選|かわいい動物からおすすめ図鑑まで紹介

Anan Kaewkhammul / Shutterstock.com

現在、地球上には約870万種の生き物がいるといわれている。技術の発達で人は自然の奥深くまで探索できるようになり、ほとんどの生態が解明されているのではと思う人もいるだろう。しかし、実はすでに発見され名前のある生き物よりも、人間がまだ存在すら知らない生き物の方がはるかに多いのだ。

今回はそんな生き物について、名前はあるものの生態がよくわかっていない生き物、絶滅の危機にある生き物など、珍しい生き物を厳選して15種類解説していく。

珍しいかわいい生き物3選

珍しいかわいい生き物3選

Dani Vincek / Shutterstock.com

まずは、見た目がかわいい生き物から見ていこう。ここでは、ジャイアントパンダ、ジュレヌク、マレーバクを紹介する。

ジャイアントパンダ

ジャイアントパンダ

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分類哺乳綱食肉目クマ科ジャイアントパンダ属
生息地中国(甘粛省、四川省、陝西省)
体長120~150cm
体重オス:100~120kg
メス:90~100kg
日本で飼育されている動物園神戸市立王子動物園
アドベンチャーワールド
上野動物園

かわいさと珍しさを兼ね備えた生き物で、日本でもっとも有名なのはジャイアントパンダだろう。2023年2月、上野動物園とアドベンチャーワールドの人気者だった3頭が惜しまれつつ中国へ返還されたのは記憶に新しい。

パンダは実は雑食性の動物である。主食は笹や竹だが、肉や魚を食べることもある。かつて食糧不足や他の肉食獣との生存競争を克服するため、餌を争う相手のいない植物を食べるようになったとされている。

2023年5月には、中国の四川省で真っ白なジャイアントパンダが発見された。白い理由は遺伝子の突然変異によるものと考えられているが、繁殖能力なども含めて詳しい実態はまだわかっていない。

ジュレヌク

ジュレヌク

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分類哺乳綱偶蹄目ウシ科ジェレヌク属
生息地ケニア、ソマリア、エチオピア南部タンザニア
体長100~180cm
体重29~52kg
日本で飼育されている動物園なし

ジュレヌクはウシの仲間である。小さな顔、大きな目を持ち、頸部や脚がすらっと長いのが特徴だ。オスは成体になるとS字状のツノを生やす。アフリカ大陸の砂漠やサバンナに生息している。

木の葉、果実、花などを主食としており、後ろ脚だけで立ち上がって高い所にある葉を食べる姿などが目撃されている。

マレーバク

マレーバク

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分類哺乳綱奇蹄目バク科バク属
生息地ミャンマー南部からマレー半島、スマトラ島
体長220~250cm
体重250~300kg
日本で飼育されている動物園アドベンチャーワールド など

マレーバクはバクの仲間でもっとも体が大きく、黒と白のツートンカラーが印象的だ。その姿から、神が余り物をつぎはぎして創った動物といわれることもある。なお、生後6カ月までは白い縦縞が入っている。

主に熱帯雨林の森に生息しており水辺を好んでいるが、生息地の破壊などにより絶滅が危惧されている。

珍しいかっこいい生き物3選

珍しいかっこいい生き物3選

Magdanatka / Shutterstock.com

次に、見た目がかっこいいパプアヒクイドリ、アムールヒョウ、サオラを紹介する。

パプアヒクイドリ

パプアヒクイドリ

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分類鳥綱ヒクイドリ目ヒクイドリ科ヒクイドリ属
生息地ニューギニア島、ヤーペン島
体長130~140cm
体重不明
日本で飼育されている動物園愛媛県立とべ動物園のみ

パプアヒクイドリは、走るのが得意な飛ばない鳥である。体はメスの方が大きく、黒くて硬い羽毛で覆われている。頭部から頸部までは羽毛がなく、青、赤、黄色の皮膚が露出しているのが特徴だ。

主に熱帯雨林や湿地に生息しており、早朝や夕方に活動して果実や昆虫などを食べる。

アムールヒョウ

アムールヒョウ

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分類哺乳綱食肉目ネコ科ヒョウ属
生息地ロシア沿海地域
体長100~170cm
体重35~70kg
日本で飼育されている動物園旭山動物園 など

アムールヒョウは、ヒョウの中では最大級でもっとも北に生息している。寒冷地域に適合した長くて厚い体毛を持ち、夏毛は赤味がかった黄色、冬毛は明るい黄白色になるなど、季節によって色が変化する。

かつては朝鮮半島、中国東北部などにも生息していたが、環境破壊や毛皮を目的とした狩猟により生息数が激減した。現在、野生の生息数は数10頭ほどとされ、絶滅が危惧されている。

サオラ

サオラ

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分類哺乳綱偶蹄目ウシ科サオラ属
※鯨偶蹄目とする説もあり
生息地ベトナム、ラオス
体長150~200cm
体重90kg
日本で飼育されている動物園なし

サオラは、1992年に発見されたばかりの非常に珍しい生き物である。四肢は黒色、体は濃赤褐色や暗褐色で、顔面には白い斑紋がある。2本ではあるがツノが生えた姿や希少性の高さから、アジアのユニコーンとも呼ばれている。

山地の斜面にある常緑樹林や半落葉樹林に生息しているといわれるが、これまでその姿を捉えることはほとんどできていない。2013年11月、世界自然保護基金(WWF)によってベトナムの山岳地帯で15年ぶりに野生のサオラが撮影された。

珍しい奇抜な生き物3選

珍しい奇抜な生き物3選

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次に紹介するのは、一瞬で目を引く奇抜な姿の生き物だ。オカピ、フィリピンワシ、ゴールデンライオンタマリンを紹介する。

オカピ

オカピ

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分類哺乳綱偶蹄目キリン科オカピ属
※鯨偶蹄目とする説もあり
生息地コンゴ民主共和国東部
体長200cm
体重オス:250kg
メス:330kg
日本で飼育されている動物園上野動物園
よこはま動物園ズーラシア など

オカピは、キリン科に属するウマに似た動物である。四肢にはシマウマのような白と黒の横縞があり、1頭ずつ異なる模様をしている。この模様は森林では保護色の役割も果たしている。

1901年にイギリスの探検家ハリー・ジョンストンによって発見され、日本では1999年に初めてよこはま動物園ズーラシアで公開された。

フィリピンワシ

フィリピンワシ

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分類鳥綱タカ目タカ科フィリピンワシ属
生息地フィリピン(サマール島、ミンダナオ島、ルソン島、レイテ島)
体長86~102cm
体重4.5~8kg
日本で飼育されている動物園なし

フィリピンワシは、フィリピンの固有種かつ国鳥である。フィリピンでは「鳥の王」と呼ばれ、世界で最も希少な猛禽類の1つとされる。頭頂にある羽毛が長いのが特徴だ。鳥類、爬虫類の他、サルなどの哺乳類も食べる。

そのかっこいい見た目から飼育や展示目的で乱獲され、生息数が激減している。現在現存するつがいは400組以下といわれている。

ゴールデンライオンタマリン

ゴールデンライオンタマリン

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分類哺乳綱サル目(霊長目)オマキザル科ライオンタマリン属
生息地ブラジル(大西洋沿岸の熱帯雨林)
体長34~40cm
体重600~700g
日本で飼育されている動物園浜松市動物園のみ

ゴールデンライオンタマリンは、黄金色の毛とライオンのようなたてがみが特徴の小型のサルだ。雑食性で、果実、昆虫、カエル、トカゲなどを食べる。

森林伐採や乱獲などにより絶滅危惧種に指定されていて、世界的に厳重に管理されている。日本では1994年に初めて浜松市動物園で展示され、現在もここでしか見ることができない極めて珍しい生き物だ。

珍しい海の生き物3選

珍しい海の生き物3選

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次に、海に生息する珍しい生き物の中から、コガシラネズミイルカ、ジュゴン、ジンベエザメを紹介する。

コガシラネズミイルカ

コガシラネズミイルカ

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分類哺乳綱偶蹄目ネズミイルカ科ネズミイルカ属
※鯨偶蹄目とする説もあり
生息地メキシコ(カリフォルニア湾)
体長150cm
体重30~55kg
日本で飼育されている動物園なし

コガシラネズミイルカは、メキシコのカリフォルニア湾のみに生息する世界でもっとも希少な海洋生物の1種である。他のイルカよりも小柄な体型が特徴だ。

違法な漁業や他の魚との混獲、気候変動により年々生息数が減少しており、現在は数10頭しかいないといわれている。

ジュゴン

ジュゴン

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分類哺乳綱ジュゴン目ジュゴン科ジュゴン属
生息地インド洋、西太平洋、紅海
体長300cm
体重450kg
日本で飼育されている動物園鳥羽水族館のみ

ジュゴンは、世界中で人魚のモデルといわれている哺乳類の1種である。主に浅瀬に生える海草を食べ、オーストラリア北部の海を中心に約5500頭が生息している。

ジュゴンは繊細な性格であるため飼育が非常に難しく、現在飼育されている施設は世界で2カ所のみ。そのうちの1つが日本の鳥羽水族館で、セレナという名前のジュゴンが2022年4月に世界最長の飼育記録35年を突破した。

ジンベエザメ

ジンベエザメ

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分類軟骨魚綱テンジクザメ目ジンベエザメ科ジンベエザメ属
生息地熱帯、亜熱帯、温帯
体長10~12m
体重20t
日本で飼育されている動物園美ら海水族館 など

ジンベエザメは、世界でもっとも大きな魚類である。成体は10~12mほどの大きさだが、中には20m近くまで成長するものもいる。灰色に白の斑点の模様が甚平羽織に似ていることから和名がついた。

日本ではまれに沖縄、四国、伊豆などで目撃されるが、温厚な性格のため人を襲うことはほとんどない。

世界で初めて飼育されたのは中之島水族館(現在の三津シーパラダイス)である。さらに、現在美ら海水族館で飼育されているジンタは、28年という世界最長の飼育記録を持つ(2023年6月時点)。

珍しい日本の生き物3選

珍しい日本の生き物3選

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最後に紹介するのは、日本にのみ生息する珍しい生き物だ。イリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナ、エゾサンショウウオの3種類を紹介しよう。

イリオモテヤマネコ

イリオモテヤマネコ

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分類哺乳綱食肉目ネコ科ベンガルヤマネコ属
生息地西表島
体長オス:55~60cm
メス:50~55cm
体重オス:3.5~5kg
メス:3~3.5kg
日本で飼育されている動物園なし

イリオモテヤマネコは、1965年に西表島で発見されたヤマネコである。現在の生息数は100頭ほどといわれ、国の特別天然記念物に指定されている。

他のヤマネコ類とは異なり、ネズミ、コウモリ、カモ、ヘビ、カエルといったさまざまな生き物を捕食する。これは、イリオモテヤマネコが西表島に生息する哺乳類の頂点であり、他の肉食獣と餌を取り合うことがないためである。

ヤンバルクイナ

ヤンバルクイナ

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分類鳥綱ツル目クイナ科Hypotaenidia属
生息地沖縄本島北部(大宜味村、国頭村、東村)
体長35cm
体重340~430g
日本で飼育されている動物園なし

ヤンバルクイナは、沖縄本島北部の山原地域のみに生息する固有種である。丸く短い翼、真っ赤な嘴、胸から腹にある白黒の縞模様が特徴だ。

「ヤンバルクイナ」とは「山原(やんばる)地方に生息するクイナ」という意味で、1981年に発見されて和名が付けられた当初は、山原地域が全国的に知られるきっかけにもなった。

エゾサンショウウオ

エゾサンショウウオ

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分類両生綱有尾目サンショウウオ科サンショウウオ属
生息地北海道
体長11~20cm
体重5~15g
日本で飼育されている動物園円山動物園 など

エゾサンショウウオは、北海道本島にのみ生息する固有種である。サンショウウオの由来は、山椒のような臭いの液体を出す特性からだという。体色は暗褐色、褐色、暗灰色などで、前肢の指は4本、後肢の指は5本ある。

山地から平地まで広く分布し、水たまりや道路脇の側溝などにも生息している。幼生はプランクトン、成体はミミズ、クモ、昆虫などを食べる。

珍しい生き物の情報を知る方法

珍しい生き物の情報を知る方法

Protasov AN / Shutterstock.com

紹介した15種類以外にも、まだまだ世界中には珍しい生き物がいる。どんな生き物がいるのかもっと知りたくなった人に、珍しい生き物の情報を手に入れる方法を紹介しよう。

図鑑

珍しい生き物は絶滅危惧種に指定されているか、絶滅危惧種に近いことが多い。ここでは、絶滅の危機にある生き物について知れる書籍を2点紹介する。

PHOTO ARK 消えゆく動物 絶滅から動物を守る撮影プロジェクト

PHOTO ARK 消えゆく動物 絶滅から動物を守る撮影プロジェクト

出典:Amazon

世界中の絶滅危惧種の生き物を美しい写真で紹介する動物図鑑である。絶滅の危機にある生き物や絶滅した生き物など、珍しい生き物が約290種類掲載されている。

売上の一部が、生き物を絶滅の危機から守る撮影活動「PHOTO ARK」に寄付されている。

「もしも?」の図鑑 絶滅危惧種 救出裁判ファイル

「もしも?」の図鑑 絶滅危惧種 救出裁判ファイル

出典:Amazon

絶滅の危機にある生き物たちが、人間を相手に裁判を起こすというユニークな設定の動物図鑑である。

人間や動物たちの証言などから、絶滅危惧種の置かれた状況、生息数減少の原因などをわかりやすく知ることができる。

レッドデータブック・レッドリスト

レッドデータブックおよびレッドリストは、絶滅の恐れがある野生生物の基礎的資料である。レッドリストは該当生物の一覧で、レッドデータブックはレッドリスト掲載の生き物の生息状況などを専門家がまとめた書籍を指す。

世界では国際自然保護連合(IUCN)という団体が1966年に初めてレッドデータブックを発行しており、日本では環境省の他、地方自治体、NGO団体などでも作成され、順次改訂版が発行されている。

環境省によるレッドリストは2020年、レッドデータブックは2014年に最新版が作成されており、環境省の生物多様センターが運営するサイト「いきものログ」からその内容を確認できる。リストはダウンロード可能で、サイトでも各地の絶滅危惧種を検索できるのでチェックしてほしい。

まだまだたくさん存在する未知の生き物を知っていこう

現在確認されている珍しい生き物は、その地域のみ生息するという理由の他にも、森林伐採や密猟といった人間の活動の影響で生息数が減少している。珍しい生き物を見て楽しむゆとりをいつまでも持てるよう、また、絶滅する生き物がこれ以上増えないよう、さまざまな生き物の生態を知ることで、互いの存在や生活環境を尊重することが重要だ。

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Text by NewSphere 編集部