ナワリヌイの意志は受け継がれるか ロシア反体制指導者の死、世界に広がる悲しみ

アレクセイ・ナワリヌイ(右)と妻ユリア(2013年6月)|Alexander Zemlianichenko / AP Photo

 今月16日、プーチン政権や国営企業の汚職問題を告発し続けてきたロシアの政治活動家、アレクセイ・ナワリヌイ(Alexey Navalny)の死亡が発表された。妻はプーチンに責任があると訴えた。

◆北極圏の刑務所で死亡
 過激派の組織を設立し、資金を提供したとして有罪判決を受け、禁錮19年の刑を言い渡されていたナワリヌイが16日、収監されていた北極圏の刑務所IK-3で死亡したことが伝えられた。アルジャジーラは、彼の母親に伝えられた死亡の報告を受け、ナワリヌイの広報担当のキラ・ヤルミシュ(Kira Yarmysh)が彼は「殺害された」と発表したことを報道した。その死因については、突然死症候群であると伝えられたという。ロシア当局は、 ナワリヌイは散歩の後に突然意識を失って死亡したと説明し、それ以上の詳細は伝えられていない。

 彼の家族とチームは一刻も早く彼の遺体を引き渡すよう訴えを続けているが、受け入れられていない。死亡連絡の直後、母親と弁護士が刑務所に駆けつけたが、化学分析が必要なため遺体の引き渡しは2週間後と伝えられた。これに対し妻のユリア・ナワルナヤは、殺害に使われたことが疑われる神経ガス、ノビチョクの痕跡が消えるまで、夫の遺体が保管されていると主張。母親は、刑務所で引き渡しを待ち続けているが、遺体がどこに保管されているかも明らかにされていないという。

Text by MAKI NAKATA