NY地下鉄の「不正防止」改札を突破する人々 動画が拡散

Tdorante10 / Wikimedia Commons

 米ニューヨークの地下鉄では、これまで運賃を払わず改札を通り過ぎる無賃乗車が大きな問題になっていた。これを防ごうと、最新のシステムを備えた新たな改札が設置された。しかし、いとも簡単に改札ゲートを通過できるライフハック動画などがソーシャルメディアに投稿され、対策になっていないと指摘されている。

◆運賃逃れの切り札? 最新ゲート登場
 ニューヨークの地下鉄やバスを運営するメトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ(MTA)は12月、改札をすり抜ける客に対する防御策として、新しいハイテク・センサー・ゲートをJFK空港近くの地下鉄駅に設置した。ニューヨーク・ポスト紙(NP)によれば試験運用中で、設置費用は70万ドル(約1億円)だという。

 フォックスニュースによれば、ニューヨークの地下鉄は「バック・コッキング」と呼ばれる、改札をすり抜ける不正乗車に長い間悩まされてきた。2022年には、MTAは4600万ドル(約68億円)の減収を被ったという。

 ほとんどの地下鉄の改札は、これまでステンレス製の回転棒を押すことによって入場する仕様になっていたが、切符や乗車カードを持たずに、上を飛び越えて行く人が多かった。最新の改札は、ベビーカーや車いすも通れる幅の広いものになっており、スイング式のゲートドアが採用されている。MTA側は、アクセシビリティを向上するだけでなく、運賃逃れの防止にも重要だと話している。(ザ・メッセンジャー

Text by 山川 真智子