イギリス人の紅茶愛が終わる? コーヒーの人気が上回る

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 紅茶の国と言われるイギリスでは、毎日1億杯の紅茶が飲まれているという。ところが近年若い世代を中心にコーヒーの人気が高まっており、最新の調査でもコーヒー派の勢力拡大を示す結果が出ている。国民的飲み物としての紅茶の地位が脅かされているのだろうか?

◆時代に合わない? コーヒーに負けそうな紅茶
 世界のマーケットと消費者データを提供するスタティスタの調査によれば、イギリスではコーヒーを常飲していると答えた人は63%、紅茶を常飲していると答えたのは59%だった。買い物習慣にも変化が見られ、過去12ヶ月間にスーパーで購入されたコーヒーが5億3300パック以上であるのに対し、紅茶は2億8700万パックであることが、市場調査会社カンターの調査でわかった。英国コーヒー協会の調べでは、イギリスでは毎日約9800万杯のコーヒーが飲まれており、紅茶の数字に拮抗している。(メンズ・ヘルス誌

 食品・飲料の専門家アイディ・スミス氏は、紅茶の多用途性の欠如、刺激のなさに比べ、フレーバーのバリエーションやラテ・アートなどの創造性でアピールできるコーヒーのほうが、現代社会に向いていると指摘。紅茶は時代遅れになりつつあるのが真実だとしている。(同)

 ガーディアン紙に記事を寄せたジャーナリストのココ・カーン氏は、現在のトレンドはビールよりコーヒーを好むミレニアル世代やZ世代がけん引していると推定。また、カフェインを多く含むコーヒーは、日々の仕事に追われ働き続ける人々に頼られているとしている。

Text by 山川 真智子