フランス、ベルギーでテロ 欧州で再び高まる脅威

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 イスラエルとハマスの衝突を受け、欧州ではテロの脅威が高まっている。すでにフランスとベルギーで2件発生し、犠牲者が3人出た。

◆フランスでは高校教師が犠牲に
 フランス北部の町アラスで13日、高等学校にナイフを持つ男が侵入し、教員一人を刺殺、別の教職員3名に怪我を負わせる事件が起きた。亡くなったのは57歳のフランス語教師で、犯人は通報で駆けつけた警察に逮捕された。

 実行犯モハメッド・モグチコフは20歳のロシア系移民だ。その父親はイスラム過激派を支持していたことから2018年に国外追放された。またその兄は、テロを推奨した罪で今年、有罪判決を受けている。(フランス24、10/15)

 今回警察に事情聴取されたモハメッド・モグチコフの妹(18歳)の証言によれば、家庭内は不条理がまかり通る場所だったという。たとえば、彼女は11歳の時から父親に頭を覆うことを強いられ、しばしば通学を妨げられ、中学校も途中でやめざるを得なかった。モハメッド・モグチコフは、実の母親に暴力を振るっており、見かねた近所の人が通報したことも1度や2度ではないという。(フランス・アンフォ、10/17)

 テロの記憶が生々しいフランスとあり、アラスの事件の翌日には、一連の爆弾予告(いずれも偽の予告だった)を受け、ルーブル美術館やベルサイユ宮殿、またパリのリヨン駅で見学客を避難させ閉館する騒ぎが起きた。

Text by 冠ゆき