アジアから来たカメムシにフランス悲鳴 欧州で大量発生

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 日本では全国的に都市部でのカメムシの大量発生が話題になっているが、実はヨーロッパでもアジアから来たカメムシが大量発生し問題視されている。

◆東アジアから来たクサギカメムシ
 現在欧州で大量発生しているのは、東アジアから来たとされるクサギカメムシ(学名:Halyomorpha halys)だ。欧州では2004年にスイスで最初に確認された。その後も侵入は続き、フランスでは2012年に確認された。フランスの国立農業技術総合研究所(INRA)によれば、クサギカメムシは移動に植物を必要とせず、コンテナや電車、船舶で運ばれる車両などを介しても侵入しているという(フランス3)。

 その数は年々増加の傾向にある。この夏、長い猛暑に苦しんだフランス南部では現在クサギカメムシが大量発生し、テラス席の利用をあきらめざるをえないレストランも出ている。屋外だとカメムシが皿やグラスの中に入ってきてしまうせいだ。(フランス3、10/12)

 個人住宅でも事情は同じで、ラ・デペシェ紙(10/6)は、毎日家の中に数十匹のカメムシが入り込むと訴える南部のアリエージュ県の住民の声を報じている。欧州ではまだ稀な網戸をつけている家でも、両開き窓が普通であるフランスでは、日本と異なり雨戸を閉めるため網戸を一旦開ける必要がある。そのわずかな隙にカメムシがどっと家の中に侵入するのだ。

Text by 冠ゆき