アメリカが「1年中夏時間」になる? 法案が再提出

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◆時刻を早めることで生まれる健康害
 また、時計の針を早めたり遅くしたりするのには健康的な害もあるようだ。学術系ニュースサイト『カンバセーション』によると、夏時間のために時刻を1時間早めることで、心臓発作の増加や睡眠不足につながるという研究結果も出ており、米国医師会も1年を通じて標準時間を使用することを推奨している。またメキシコが2022年に健康やエネルギー節約を理由として標準時間に移行したことも、隣国アメリカが追随する大きな理由となるだろう。

 年に2回時刻を変えることで国民の生活やバイオリズムに混乱をきたし、健康や習慣上の調整を必要とすることは疑いがない事実だろう。サンシャイン・プロテクション・アクトが下院を通過してアメリカ全土で標準時間が採用されれば、それらの問題が解決するだけでなく、現在夏時間のシステムを利用していないハワイ州民や、日本など他国の人々にとっても、アメリカ本土との連絡をする際に時差で混乱しなくて済むという恩恵が生まれるのである。

Text by 川島 実佳