検閲で「白」にする中国当局、「白紙」で反発する民衆 「ゼロコロナ」抗議デモ白熱

白い紙を掲げる北京のデモ参加者(27日)|Ng Han Guan / AP Photo

 3年近くもの間、厳格な「ゼロコロナ」政策を取り続けてきた中国政府に、とうとう民衆が抗議の声を上げ始めた。その象徴は「白」だ。

◆ゼロコロナ政策の犠牲者
 新型コロナウイルスをめぐる状況の変化とともに多くの国は対策を変化させてきたが、中国は当初から変わらぬ厳しいゼロコロナ政策を堅持してきた。それは時に度を超えた厳格さを伴い、思わぬ犠牲者も出してきている。

 たとえば1月に西安で入院を拒否され続けて流産してしまった女性や、9月に貴州省のバス事故で亡くなった27人もそうだ。バスに乗っていたのは濃厚接触者あるいはその接触者で、隔離施設に強制的に移動させられていた健康な人々だった。険しい山岳地域であるため通常は2時から5時にかけてのバスの運転が禁じられているにもかかわらず、事故の発生時刻は2時40分で、27人の死者のほか約20人のけが人も出した。(ル・モンド紙

 さらに、10月には鄭州市のiPhoneを製造するフォックスコンの工場で、陽性者が多数出たという理由で多くの従業員が隔離された。しかし、食料が足りず脱出を試みる人が続出。その際に高層階から転落する人や、工場封鎖下で密かに脱出し徒歩で帰郷しようとする人々の映像などがネット上に出回った。この鄭州市では先週再び激しい衝突が起こり、その翌日、人口の約半数にあたる600万人が25日からロックダウン下におかれたたところだ(AFPツイート、11/24)。

Text by 冠ゆき