米最高裁判事の妻、議会襲撃に関与か? 大統領選結果を覆すよう高官に要請
ワシントンポストは3月24日、バージニア・トーマス氏とメドウズ氏が交わしていた29通のメッセージを掲載。トーマス氏は11月10日、トランプ氏の落選が確定すると、メドウズ氏に「負けを認めてはいけない。彼を支援する人々が集まるのには時間がかかる」「国民の大半はバイデンと左派が史上最大の略奪を試みていると知っている」などと言い、大統領選結果を覆す努力をするよう繰り返しプッシュしていた。
この報道当時、夫のトーマス判事は感染症で入院中だったが、このメッセージが明らかになると、今年1月19日に行われたある裁判の結果に注目が集まった。それはトランプ氏が1月6日調査委員会が米国立公文書記録管理局に要求した書類の提出を阻止しようとして起こした裁判で、NBCニュースによると、最高裁では9人中保守派を含む8人の判事がトランプ氏に書類引き渡しを阻む権利がないと判断したのにもかかわらず、トーマス判事だけが書類引き渡しに反対したのである。
◆トーマス判事の適正な判断力に疑い
ここで注目されたのは、トーマス判事と妻の関係性だった。トーマス判事の妻が、これまで思われていたより積極的に大統領選結果を覆す努力に傾倒していたことが明らかになり、その影響が最高裁判事に及んでいるという可能性が改めて浮き彫りになったのだ。トーマス夫妻はこの件に関してコメントをしていないが、メドウズ氏とのメッセージが公表されたことから、1月6日調査委員会が、バージニア・トーマス氏が議事堂襲撃事件にどれほど関与していたかを調べているのは間違いない。クラレンス・トーマス氏自身の関与の証拠はいまのところ知られていないが、妻が1月6日襲撃事件に深く関与していたことが判明した場合、1月6日事件に関連する裁判があった際に、トーマス判事に正しい判断力があるかどうかがさらに疑わしくなってきたのである。
CBSニュースによると、民主党は現在、トーマス判事の妻が関与していたことから、1月6日事件関連の裁判において、利害関係を持つ者としてトーマス判事が自分自身を不的確とするよう求め、米最高裁のジョン・ロバーツ裁判長に文書を送ったという。現在のところ、この件に関してトーマス判事側から返答はないが、最高裁の政治的分断が叫ばれる昨今、もしトーマス判事が今後も1月6日事件の裁判に関わり続ければ、最高裁の信用度がさらに落ちる可能性がある。
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