米最高裁判事の妻、議会襲撃に関与か? 大統領選結果を覆すよう高官に要請

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 アメリカはいま、史上初の黒人女性最高裁判所判事の誕生に沸いている。ケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事は、米上院議会で4月7日に行われた投票で、共和党員3人を含む53票の賛成票を得た。同判事は今後すぐに最高裁判事職に就くわけではなく、今年夏にスティーブン・ブライヤー判事が引退後、就任式が行われる予定だ。

 ジャクソン判事が脚光を浴びる一方で明暗を分けているのは、現在最高裁で唯一の黒人判事であり、保守派でもあるクラレンス・トーマス判事である。トランプ前大統領の首席補佐官を務めたマーク・メドウズ氏が、米下院の1月6日調査委員会の要求で提出したテキストメッセージのコピーの中に、トーマス判事の妻で超保守派といわれるバージニア・トーマス氏が、2020年1月6日の米議会襲撃事件の計画に強く関わっていた可能性が浮上してきたからである。

 またトーマス判事自身も、トランプ氏に関する裁判で、妻の政治的思想の影響を受けていたとみられる行動を取ったことから、最高裁判事としての信用が危うくなるという窮地に立たされている。

◆首席補佐官と大統領選結果を覆す相談
 バージニア・トーマス氏が1月6日の集会の計画段階から参加していたことはこれまでも知られていたが、襲撃自体には関わっておらず、トーマス氏の存在はこれまでそれほどクローズアップされていなかった。しかし3月24日、トーマス氏がマーク・メドウズ氏と交わしていたメッセージで、大統領選結果を覆すことを何度も促していたことが暴露されると、本人だけでなく夫のクラレンス・トーマス判事にも注目が集まった。

Text by 川島 実佳