香港ペットショップの小動物2000匹が殺処分 コロナが呼ぶペットの受難
◆新型コロナ初期のペット人気
ところで、新型コロナはそのほかにもペットに影響を及ぼしている。まず、パンデミック初期には世界的にペットの販売数が増加した。これは、ロックダウンや隔離などの状況を経験した人々が、癒しを求めてペットを購入したからと見られる。米国では動物引き取り希望者が500%増えた町もあったという。(ウェスト・フランス紙、2021/1/25)
日本も例外ではなく、一般社団法人ペットフード協会によれば、2020年に犬・猫を飼い始めた人は前年から16~18%上昇した(読売新聞、1/14)。
◆ペット遺棄数、虐待数の上昇
だが、飼い始めたものの、その後、時間的・経済的理由で、ペットを手放す人も増加した。フランスの動物保護団体SPAは昨年一年で引き取った動物の数は4万5000匹以上だと発表している。(20minutes紙、1/18)
パリとその郊外を含むイル・ド・フランス地域では前年比15%増。イヌやネコ以外の、ウサギやモルモットなどの遺棄件数に限ると、前年比増加率はさらに上がり86%だった。(フランス3、1/18)
またSPAは同時に、2021年は動物虐待の通報数も前年比17%増だったことを明らかにしている(20minutes紙、1/18)。
直接的にせよ間接的にせよ、ヒトの手は多くの動物の生死を握っている。望もうと望むまいとそれが現状であることを、パンデミックは改めて私たちの目の前に突きつけている。
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