眞子さん結婚、海外紙の視点 ヘンリー王子夫妻との違い、公を優先する日本の価値観……
◆心の傷
海外報道でもうひとつ大きく扱われている論点が、二人に関する報道とメンタルの問題だ。NYT紙は、ニューヨークのロースクール時代の圭さんをパパラッチが追い回し、長髪姿や屋台通いの食生活など私生活を書き立てたと指摘する。「SNSでの容赦ない攻撃により、プリンセスは複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされることとなった」とも記事は述べている。圭さんの帰国後も、ポニーテール姿やスーツの柄などについて日本国内で細かく報じられるなど、「世間の目はいっそう厳しいものとなり、不条理に近いものとなった」と報道の過熱を振り返る。
香港のサウスチャイナ・モーニングポスト紙(10月26日、以下「SCMP」)も同じく、眞子さんが婚約者にまつわる報道にショックを受けていたと伝えている。26日の会見で眞子さんは事実に基づかない報道に恐怖心を覚えたと打ち明けた。また、心に傷を負ったほかの人々に向けて「周囲の人の温かい助けや支えによって、より多くの人が心を大切に守りながら生きていける社会となることを、心から願っております」と述べている。
◆後継者問題も逆風に
金銭トラブル以外では、皇室の後継者問題が世論の反発を招いたのではないかとする指摘がある。SCMP紙は「自分たち自身の人生を楽しんでほしい」などと門出を祝う声が市民から上がる一方、都内ではデモ隊の行進があったと報じた。同紙は、女性の皇位継承が認められていないことで皇室が後継者不足に悩まされているとの視点に立ち、皇位継承者は現在3名しかいないと紹介している。
別の視点としてNYT紙は、公のために個人を犠牲にするという日本社会の価値観にそぐわなかったことから、アメリカでの新生活を選んだ二人が批判を浴びたのではないかと分析している。同紙は、圭さんがインターナショナル・スクールで学び、日本の価値観に対してあまり従順でないことなどにより、世間の期待とのギャップが生まれたとの指摘を紹介している。
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