偽造ワクチン証明書の売買、欧米で横行 提示義務化で増加

カフェで接種証明書を提示する女性(ニューオリンズ、8月16日)|David Grunfeld / The Advocate via AP

 米カリフォルニアとイスラエルのテルアビブを拠点にし、世界中に支所をもつサイバーセキュリティサービス会社のチェックポイント(Check Point Software Technologies Ltd.)の調査によれば、秘匿性の高い無料メッセージアプリ「テレグラム」などを使った偽造グリーン証明書のネット販売者数は、感染が拡大した2020年3月から同年12月の間に約20人から1500人に激増した。購入者で1番多いのはワクチンを接種していない人で、次いでワクチンを1回だけ接種した人だという。ただ、同社がヨーロッパのニュース専門放送局ユーロニュースに「ワクチンを受けられなかった人が世界中に何十億人もいることを忘れてはいけない」と話しているように、未接種の購入者は必ずしも接種忌避派とは限らないだろう。

 また、同社は8月初めに新しい統計を発表し、闇ネットにおける偽造グリーン証明書販売の広告数が増加しており、最大で45万人が関与していることがわかった。偽造グリーン証明書の多くはヨーロッパで売られている。ワクチン偽造接種証明の闇ネットの相場は下降傾向にあり、現在100~120ドルで取引されている。

◆二重の詐欺 偽造証明が送付されない場合も
 もっとも、医師やワクチン接種センター発行のものだと約束されているそれらのワクチン偽造接種証明が本当に届くかどうかはわからない。取引は匿名で、支払いはビットコイン指定が多い。スイス放送協会の報道では、ごくまれに有効とみなされる証明が販売されることはあるものの、購入者の元にこれらの証明書が送付されることは少なく、チャットには「届かない」と苦情が書き込まれているという。

 各国は、グリーン証明書の売買に引き続き目を光らせている。たとえばイタリアでは、ローマ、ミラノ、バーリの各当局が主導する「フェイク・パス」と呼ばれる捜査が行われており、ワクチン偽造接種証明の売買を大々的に取り締まっている。8月初めには、偽造接種証明を提供するテレグラムのチャンネル管理者32人の自宅が捜索された。当局は現在、そのチャンネルを利用して偽造接種証明を購入した人たちの身元を突き止めようとしている。

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Text by 岩澤 里美