デルタ株感染予防:モデルナ製がファイザー製より効果的 米研究
◆ブレイクスルー感染予防はモデルナに分
だが、7月だけに関してみれば、感染予防の効果は、モデルナ製が76%であるのに対し、ファイザーは42%とかなり低い。これは、両ワクチンのデルタ株への効果の違いを示していると考えられる。7月はミネソタ州でデルタ株が大きく増えた時期にあたるからだ。ただし、幸いなことに、デルタ株であっても重症化予防の効果は、どちらのワクチンも同様に高いままであった。
同研究は、ミネソタ州以外でのブレイクスルー感染も比較調査しているが、その結果も上の数値とほぼ同じであった。感染リスクの差は、どこもデルタ株率が50%を超えた7月がもっとも顕著で、たとえば、フロリダ州では、モデルナワクチン接種者のブレイクスルー感染は、ファイザーワクチン接種者より約60%も低かった。
◆モデルナとファイザーの違いはなにか?
メッセンジャーRNAという同じ技術を用いながら、両ワクチンの効果の差はどこから来るのか?
同研究はこれに触れていないが、スイス、ジュネーブにあるグローバルヘルス研究所のフラハウト所長は、両ワクチンの投与量の違いが最も大きいと考える。というのも、「ファイザーでは一度の接種で30㎍のメッセンジャーRNAが投与されるが、モデルナだと100㎍」と、3倍以上のRNAメッセンジャーが投与されるのだ(トップ・サンテ、8/17)。また、フュチューラ・サンテ誌(8/16)は、モデルナワクチンは薄めずそのまま接種されるのに対し、ファイザーワクチンは0.9%の生理食塩水で希釈されるという違いと、RNAメッセンジャーを運ぶ脂質ナノ粒子の組成が異なることにも言及している。
日本では現在圧倒的にファイザーワクチンの接種数のほうが多いが、モデルナワクチン接種を進める意義も大きいといえるだろう。
【関連記事】
疑問視され始めた中国製ワクチン 相次ぐ接種者の感染・死亡例
「血栓と関連」のアストラ製ワクチン 仏当局「2回目は別社製でも問題なし」 各国対応
3社のワクチン接種のフランス 副反応など知っておきたいこと
- 1
- 2