衛生パスのため故意にコロナ感染も フランスの反ワクチン派

政府のワクチン接種キャンペーンに反対する人々(ストラスブール、7月17日)|Jean-Francois Badias / AP Photo

◆ワクチン接種避け、故意にコロナ感染
 ワクチン接種センターへの攻撃もさることながら、反ワクチン派の発想は時に常軌を逸している。フランス3によれば、反ワクチン派の医者には、ワクチンを打たずにその分を廃棄して、ワクチン接種済みの証明を出しているケースもあるという。また、偽の衛生パスや、QRコードのコピー、譲渡などに手を出す話も出ている。もちろんこれらは懲役や罰金を伴う罰則対象となる犯罪行為だ。

 さらに驚くことに、衛生パス獲得を目的に、わざとコロナに感染する人がいるという。フランス3は、ここ数日SNSに増えた出会い系さながらのメッセージを紹介している。たとえば、「一夜をともに過ごしてくれる女性あるいは男性求む。新型コロナ陽性者オンリー。PCRまたは抗原検査結果要。(後略)」「今朝コロナ陽性が判明。ワクチンを打ちたくない人、ぜひパーティーに招待してね」といった具合だ。

 ワクチンを打たずに衛生パスを手に入れるには、陰性証明が必要だが、これは48時間しか有効ではない。しかも、これまで無料だったPCR検査は秋から有料になることが決まっている。そのため、6ヶ月有効な衛生パスを手に入れるためには感染するのが「良策」と考えたようだ。

 新型コロナワクチンには歴史がなく不明な点が多いので体内に入れたくない、というのが多くの反ワクチン派の意見だ。不明な点が多いのは新型コロナウイルスも同様だ。だが、どうやら新型コロナウイルスを体内に入れるのには抵抗がないらしい。

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Text by 冠ゆき