衛生パスのため故意にコロナ感染も フランスの反ワクチン派

政府のワクチン接種キャンペーンに反対する人々(ストラスブール、7月17日)|Jean-Francois Badias / AP Photo

◆国民の60%以上が賛同
 マクロン大統領は、12日の演説で、医療関係者へのワクチン接種義務化も発表した。フランス・アンフォやパリジアン紙が16日に取りまとめた世論調査によれば、フランス人の69%は医療関係者へのワクチン義務化に賛成し、公共の場での衛生パスの利用拡大にも、62%が賛意を示している。

 だがこの統計は、年齢や職種、支持政党による違いも浮き彫りにした。たとえば、衛生パスの利用拡大に賛同する55歳以上は76%であるのに対し、18~34歳は47%と半数を割っている。

◆過激な反対運動も
 国の方針に反対するグループは、12日の大統領演説以来、抗議のデモを行っている。17日には全国で約11万4000人(フランス3、7/19)、24日には約16万人が参加した。24日のデモは全国で71人の逮捕者を出し、治安部隊員29人が負傷した(フランス・アンフォ、7/25)。

 抗議運動はデモだけではなく、ワクチン接種センターの攻撃という暴力的な形でも発生している。23日までの8日間ですでに11ヶ所が、電源を切られたり、放火されたり、ナチ党シンボルであった鉤十字の落書きをされたりといった攻撃対象となっている(LCI、7/22)。

Text by 冠ゆき