マスクきっかけで手術を受ける人が増加、フランス

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 新型コロナの影響で、フランスでは、ある種の手術希望者が増えた。そのひとつは美容整形外科、もう一つは眼科だ。その理由をたどると、パンデミック以前から芽生えていたある傾向が見える。

◆マスクで隠れる顔下半分
 ここ数ヶ月希望者が急増している美容整形は、脂肪吸引や豊胸などの大きな手術ではなく、ヒアルロン酸やボトックス注射、レーザー手術などの小さなものだ。フランス・アンフォ(4/27)によれば、とくに鼻を含む顔の下半分を扱うものが急増したという。第一の理由はもちろんマスクだ。「あまり人に気づかれずに手術するなら、マスクを常時つけているいまが好機だと思った」とインタビューを受けた30歳女性も答えている。この女性は、唇への注射のほか、顎と鼻も少々整えたいと考えているとのことだ。

◆曇る眼鏡にうんざり
 同じくマスクが理由で増えたのが視力回復のレーザー手術だ。というのも、マスクのせいで、メガネが曇るのに嫌気がさす人が増えたためだ。フランス屈折矯正手術協会(Safir)の数値によれば、目の矯正手術は、全国で約20~30%増えている。パリのニコロ眼科外科医も、「新型コロナ以前は週に6件こなしていた手術が、いまは12~20件だ」と答えている。(20 Minutes紙、6/11)

 メガネが曇るならコンタクトレンズにすればいいという声もあるだろう。だが、リヨンのバルビエ眼科医は、「Covid-19以来、顔をできるだけ触らないようにと言われてきた。そのため衛生的にもコンタクトレンズを用いるより手術をした方が良いと考える人がいる」と説明する。同医師の周りでも、矯正手術に踏み切る人が20~25%増えたという。(同上)

Text by 冠ゆき