「オンライン卒業式なんてジョークだ」大学生の怒りと不満が爆発

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 英米では、初夏に大学の卒業式を行うことが多いが、今年は新型コロナ感染により対面からオンラインに切り替えると表明する大学が多数出ている。大学側のつれない対応に、卒業式に特別な思いを抱く学生側から怒りの声が上がっている。

◆あの名門も……オンライン卒業式続々
 2月に早々と卒業式のオンライン開催を発表したのは、アメリカの名門ハーバード大学だ。昨年に続き2年連続となる。ローレンス・バコウ学長は、非常に残念だが健康と安全が最優先と説明。感染状況が春の間に改善したとしても、準備には数ヶ月を要するとし、スピーチなどのために招く著名な来賓を含め、数千人が世界中から訪れることを考えれば、通常通りの式は困難と判断したという。後日改めて卒業生たちを呼び戻し、「忘れられない」祝典を開くと誓ったが、昨年の卒業生たちにも同じ約束がされているという(AP)。

 イギリスのイングランドでも、ヨーク大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンが、対面での卒業式はないと明言している。ヨーク大学は、今後の規制に関して不確かなこと、移動規制のため卒業生の家族が出席する計画を立てるのが困難なことを上げ、オンライン開催が最も責任ある方法だとしている(英トークラジオ局LBC)。

 スコットランドでは、エジンバラ大学をはじめほとんどがオンライン開催を発表している。エジンバラ大学では対面開催を求める学生の嘆願活動が行われ、大学側が卒業後に対面式典を開くと学生たちに約束した。もっとも、今年の開催は無理だとしており、政府の許可なしでは動けないのが現状だ(同上)。

Text by 山川 真智子