感染広がるカリフォルニア変異株 研究者が注目する2つのポイント

NIAID-RML via AP

 イギリス、南アフリカ、ブラジル変異株のどれとも異なるカリフォルニア変異株の増加が報告されている。従来種よりも、感染力が強く、より若い世代を直撃するようだと報じるメディアもあるが、実際はどうなのか?

◆カリフォルニア変異株とは?
「CAL.20C」と名付けられたカリフォルニア変異株が最初にロサンゼルスで確認されたのは2020年7月のことだった。当初は「ロサンゼルスの感染例1000件に1件未満」(ロイター、1/23)と目立つこともなかったが、「11月からその割合が劇的に増加」(medRxiv、1/20)。12月にはロサンゼルスのシダーズ・サイナイ医療センターの患者の36.4%を、さらに1月には50%を占めるに至っている(ウエスト・フランス紙、1/24)。

 CAL.20Cには、スパイクタンパク質で、S13I、W152C、L452Rという3つの変異が見られる。スパイクタンパク質は、ウイルスの(細胞への)侵入を可能にする鍵の役割を果たすといわれ、この部分での変異にはとくに注意が必要だ。まだ推測の域を出ないが、スパイクタンパク質での変異を鑑み、「CAL.20Cには、(中略)中和抗体を回避できる可能性がある」と米国の研究者ウィリアム・ヘーゼルタイン氏は述べる(フォーブス誌、2/3)。

 なお、現在判明しているだけでも、CAL.20Cはすでに「アメリカの15の州と、オーストラリア、シンガポール、ニュージーランド、イギリス、デンマーク、イスラエル」で確認されている(マリアンヌ紙、2/1)。

Text by 冠ゆき