スイス、ワクチン副反応の初報告書 依然「安全度高い」

Gerry Broome / AP Photo

 スイスでは、昨年末から米ファイザー(独ビオンテックと共同開発)製の新型コロナウイルスのワクチン接種が優先順位を決めて開始された。先日は、米モデルナ製ワクチンが承認され、今後数ヶ月間でワクチン入手量が増える。希望者は、夏までには無料で接種できる見込みだ。

 1月21日の時点で、接種(間隔をあけて摂取する2回分のうちの1回目)は人口の2%相当のほぼ17万人に達した。スイスの治療薬の認可監督機関スイスメディックは22日、摂取の副反応に関する初の報告書を発表した。

◆接種者17万人のうち副反応42件
 今回の副反応の届け出は42件だった。このうち26件は発熱、注射した箇所の痛み、悪寒など臨床試験ですでに知られていた軽度の反応を伴い、深刻なケースではなかった。11件は深刻で、皮膚の炎症(発疹)、失神、明らかなインフルエンザの症状があった。5件は死亡で、年齢は84歳から92歳だった。死亡したケースについて、スイスメディックのスタッフは、主要報道番組『ターゲスシャウ』内で次のように語った。

「85歳を超えた方たちは、予防接種をしなくても毎月2300人が亡くなっています。いまの時点では、時系列的にみて予防接種を受けたことにより死亡した可能性もあると言うことはできます。ですが、私たちは全件を慎重に分析し、この予防接種が死因ではないと判断しました」

 そして、これらの副反応によってワクチンの安全性についての評価は変更しないとした。同番組では、スイス連邦予防接種委員会長のクリストフ・ベアガー氏のコメントも伝えている。氏はスイスメディックと同様の姿勢だ。

「インフルエンザの予防接種は10年以上実践されていて、副反応の一つ一つについては長い間報告されていません。一方、新型コロナウイルスの予防接種の副反応は非常に注意して届け出されています。新型コロナウイルスの予防接種は、インフルエンザの予防接種に比べてきわめて効果が高いです。私たちは、多少の副反応が出る可能性があることに、慎重の上にも慎重に対応していきます」

Text by 岩澤 里美

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