クリスマス、欧州各国が苦肉の「緩和策」 第3波に警戒
◆クリスマスの気の緩みを警戒するベルギー
ベルギーのクロー首相は11月27日夜、ロックダウン緩和政策について発表した。ル・フィガロ紙(11/28)によれば、生活必需品以外を売る商店や美術館、プールなどは12月1日から営業を再開できるが、バー、レストラン、美容院、エステティックサロンは休業が続き、商店に入ることができるのは「10平方メートルにつき1人」で、「30分以上いてはならない」など、緩和といってもまだまだ規制の多い内容だ。クリスマスの食事についても、現行の「ソーシャル・バブル」が継続され、一世帯につき1人しか食事に招待できない。現在ワロン地方とブリュッセルでは、22時~6時の夜間外出禁止令が敷かれているが、12月24、25日に限っては0時~5時と禁止時間が短くなる予定だ。クロー首相も「4日間で4週間の努力を無駄にしてはならない」(同)というように、クリスマスや年末年始の気の緩みが、感染再拡大を招くことを何としても阻止したい考えがにじみ出ている。
なお、ベルギーは国民にスキー旅行や外国旅行をやめるよう勧告するとともに、スイスやオーストリアにスキー場閉鎖を要請中だと発表している。ドイツも、1月10日までEUでのスキーを禁止したいと考えており(20 minutes、11/25)、実際フランスもイタリアも行列やゴンドラ内での人の密集を避けるため、リフトやゴンドラの休業を決めている。
第2波のピークを越えたとはいえ、まだまだどの国でも感染数は十分に減少したとは言えない。春と異なりこれから気温がますます下がる季節にあり、クリスマスや年末年始のために規制緩和を急いだツケが、年明けに回ってくるのではないかという懸念はどの国もぬぐい切れないようだ。クリスマスまではと、我慢を強いられてきた国民の期待とのはざまで、苦肉の「緩和策」を提案したというのが実情であろう。
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