クリスマス、欧州各国が苦肉の「緩和策」 第3波に警戒

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 これらの中央政府の発表に対して、いくつかの地方はすでに異なる見解を示している。マドリッドは、「政府の提案には改善の余地がある」と考えているし、カタローニャは、「集会の人数制限は6人ではなく10人にしたい」意向だ。逆に、バスクやカスティーヤ、レオンは、感染リスクが制御されるまで、現在の制限措置を維持することを望んでいる(同)。

◆制限政策延長を決めたドイツ
 欧州各国がそれぞれクリスマス以前の制限緩和・解除を目指すなか、ドイツのメルケル首相は11月25日、現行の制限を1月頭まで延長すると発表した。つまり「バー、レストラン、文化施設、スポーツクラブの休業」「プライベートの集まりの人数制限」「商店への入店人数の制限」を続けることになる(20 minutes、11/25)。しかし、クリスマスをまったく考慮しないわけではない。「12月23日~1月1日は、プライベートの集まりは10人まで可能となる。14歳未満の子供は数に含まれない」(同)。それ以外では5人に制限されているので、倍の人数だ。

 ドイツが慎重であるのは、第2波のピークは過ぎたとみられるものの、近隣諸国と比べると感染状況の改善がなかなか進まないことが原因だ。11月28日には同国経済エネルギー大臣ペーター・アルトマイヤーが、「制限政策は春まで続く可能性もある」と発言している(20 minutes、11/28)。

Text by 冠ゆき