ポーランド、「中絶禁止」に大規模抗議デモ 世界も次々と連帯

首都ワルシャワでのデモの様子(10月28日)|Czarek Sokolowski / AP Photo

◆世界中で連帯を示す抗議活動が発生
 この抗議デモを受けて、欧州中で賛同の意を示す抗議運動が展開された。ドイツ、イギリス、ノルウェー、ウクライナなどでは、市民がポーランド大使館や領事館を取り囲んで抗議した。

 アイルランドの中絶権利擁護団体は、ポーランドの女性たちがオンラインまたは海外で安全な中絶にアクセスできるようにと「国境なき中絶ネットワーク」の電話番号をソーシャルメディアで拡散した。アイルランドは過去に、ポーランド同様厳しい中絶の規制に対して市民が反対の声をあげ、その結果中絶の合法化を勝ち取った歴史を持つ。「国境なき中絶ネットワーク」の電話番号は、デモ隊によって建物や銅像、看板、教会の壁などにスプレーで描かれ、拡散されていった。

 イタリアでは、女性やLGBTQの権利擁護グループ、労働組合や市民団体などを含む109もの団体が、EUとイタリア政府宛の公開状に署名し、ポーランドの抗議を支持するよう要求した。また、人権団体のアムネスティ・インターナショナルが始めた署名活動には、11月10日現在で12万5千筆以上が集まっている。

 またこの動きは欧州だけに留まらず、アメリカ、カナダ、メキシコなどでも連帯を示す抗議活動が行われ、その様子がソーシャルメディアに投稿された。

◆政府は無期限延期を発表
 政治家たちも声を上げた。欧州議会の5つの政党のリーダーたちはポーランドの首相に書簡を送り、裁判所による判決を非難した。書簡のなかで「基本的人権を踏みにじる野蛮な規制に抗議するため、パンデミックの最中にもかかわらずポーランド中の街に繰り出した何千もの女性と男性」に連帯の意を表すると述べている(パーラメント・マガジン、11月2日)。

 一連の抗議活動を受けて、ポーランド政府は11月3日、憲法裁判所の判決の公布を無期限に延期すると発表。しかし、ガーディアン紙(10月30日)によると、すでにいくつかの病院で中絶を希望する女性が拒否される事態が発生している。

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Text by 中原加晴