新型コロナ感染のミンク250万匹を殺処分 デンマーク

Henning Bagger / Ritzau Scanpix via AP

 デンマーク北部にある63の農場で、農家や獣医らが新型コロナウイルスに感染したミンクの殺処分を開始した。10月12日に発表されたデンマーク政府の報告によると、処分の対象となるミンクは少なくとも250万匹にのぼる。

 政府当局のフレミング・クレ・マーカー氏によると、デンマーク獣医食糧衛生局がウイルス感染したミンクの殺処分を進めるなか、感染が確認された農場から半径8km圏内のミンク農場もまた、感染の有無にかかわらずすべてのミンクが殺処分の対象となったという。

 オールボーの西に位置するジョエル村では10月8日に殺処分が開始され、マーカー氏は「我々は順調に前に進んでいる」と成果を強調する一方、ウイルスの拡散具合によっては作業が数ヶ月に及ぶ可能性を示唆した。

 現時点で殺処分が行われたミンクの具体的な数字は提示されなかった。

 今回の措置に対して反発する農家もいる。警察の広報担当であるヘンリック・スカルズ氏は「9日、ある農場では殺処分のため訪れた当局職員の入場を拒否したため、当局が南京錠を切断するという事態が起きた」とAP通信に話している。さらに、少数の抗議者が農場外に排除されるという事件も2例確認されているという。

 政府はブリーダーに対し、処分したミンクについて100%営業補償するとしているが、あくまでウイルス感染が確認されないミンクが対象である。一方で、感染したミンクを飼っているブリーダーが、群れから感染を遠ざけるための費用を受け取ることはほとんどないという。

 デンマークは世界最大のミンク輸出国の一つであり、年間推定1700万枚の毛皮を生産している。デンマークのブリーダー1500名の協同組合である「コペンハーゲン・ファー」は、世界のミンク生産の40%を占める。輸出先の大部分は中国と香港だ。

 デンマーク毛皮ブリーダー協会のターゲ・ペダーセン会長は、「新型コロナウイルスは業界全体を脅かす可能性がある。頭の上に突如落ちてきた『隕石』に対し、すべてのブリーダーが疑念と不満を抱えています」と言う。

 ミンクへの感染経路や、ミンクから人への感染の有無については、現在科学者が研究を進めている。ウイルスを保有する農場関係者から感染した可能性もある。オランダ政府は、一部の農場労働者がミンクからウイルス感染したと言及している。

 オランダでは2024年までにミンク産業を終了する予定だったが、今回の新型コロナウイルス感染拡大をうけ、今年8月には計画を3年前倒し、「2021年に終了」と発表している。

 同じくミンクの毛皮輸出が盛んなポーランドでは、毛皮農場を禁止する新しい法律をめぐり、与党の右翼連合と野党が対立を深めている。反対派は、この法律によって数百軒もの毛皮農家の生計が破綻すると主張している。

By JAN M. OLSEN Associated Press
Translated by isshi via Conyac

Text by AP

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