ネット求め、ファストフード店の外で勉強する子供 コロナ禍で見えた情報格差

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 コロナウイルス感染症の流行を受け、多くの国々がオンライン学習に移行した。生徒たちが学習の機会を逃すことのないように、パソコンの配布やインターネット環境の整備を着実に進める地域がある一方、インターネットの普及が遅れている地方や貧困地域の生徒たちは、オンライン学習に参加するために試行錯誤している。

◆ファストフード店のネットを使って「宿題」
 アメリカ・カリフォルニア州のファストフード店「タコベル」の外に座り込み、パソコンで作業する2人の子供。それを店のスタッフが見つめている写真が、8月末にSNSで話題になった。子供たちの家にはインターネット環境がなく、店のWi-Fiを利用して宿題をしていたのだという。

 この投稿は瞬く間に拡散され、子供たちが住む学区の担当者がすぐにインターネット環境を手配した。また、この子供たちを支援するために立ち上げられたクラウドファンディングのプロジェクトには14万6000ドル(約1540万円)以上が集まった。

 投稿主は前カリフォルニア州議会上院仮議長のケビン・デリオン氏で、写真とともに「40%のラテン系アメリカ人はインターネットへのアクセスがない」とコメント。ITの聖地、シリコンバレーを抱えるカリフォルニア州においても、デジタルデバイド(情報格差)が広がっていることを指摘した。

 デジタルデバイドはパンデミック以前から存在しており、とくに低所得世帯がその影響を受けている。コロナ禍で、幼稚園から高校までの教育がオンラインに移行したことでその格差がより明らかになったと、ネット版『ワイアード』(8月7日)が伝えている。記事によると、春のロックダウン期間中、インターネットへのアクセスがないために学校の勉強ができなかった子供の割合は、低所得世帯で36%だったのに対し、中所得世帯では14%、高所得世帯では4%だった。

Text by 中原加晴

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