アフリカの新型コロナ、このまま少ない感染で終わるのか?

検査の列に並ぶ警察官(南アフリカ、5/7)|Themba Hadebe / AP Photo

 アフリカ大陸に新型コロナウイルス感染が広がれば壊滅的打撃となるだろうと言われ続けてきたにもかかわらず、いまだアフリカの感染率は比較的低いままである。その謎の理由としてあげられるポイントを検討し、新たな懸念を紹介する。

◆アフリカの新型コロナ、最新状況
 アフリカで最初の新型コロナウイルス患者が見つかったのは、2月14日のエジプトでのことだった。アフリカ疾病予防管理センター(CDC)によれば、5月20日現在、54か国すべての国で感染者が確認されており、全大陸の感染者総数は9万1598人、死者2912人である。感染者数が最も多いのは南アフリカ共和国の1万7200人。それに、エジプト、アルジェリア、モロッコなど北アフリカの国々、ナイジェリア、ガーナ、カメルーンなど西アフリカの国々が続く。死者数が最も多いのはエジプトの659人で、アルジェリア、南アフリカ共和国、モロッコがそれに次ぐ。

 アフリカ大陸の人口は約12億人。これは世界人口の17%を占めるが、現時点では新型コロナウイルスの感染者は全世界の感染者の1.5%、死者に至っては0.7%しか占めておらず、割合はきわめて低い。

Text by 冠ゆき