なぜトイレットペーパー? 世界各地で買い占め パニック時の消費者心理とは
♦︎買い占めが買い占めを呼ぶ
トイレットペーパーに限らず、マスクや消毒用アルコールなどが世界的に不足している。買い溜め・買い占めには、ほかにどのような心理が影響しているのだろうか? CNBCは英ケンブリッジ大学で社会心理学を教えるサンダー・バン・デル・リンデン助教授のコメントを紹介し、ストレス要因が買い占めを加速したと報じている。一般に人間はストレスにさらされると判断力が鈍くなり、他人の行動を単純に後追いするようになる。空の棚を目撃することで危機感が増し、ほかの消費者の後を追う形で買い増し行動に走るという図式だ。
このような行動の伝播は、スコッツマン紙も指摘している。商品が消えゆく棚を目にすると、心理学でFOMO症候群と呼ばれる状態を引き起こしやすい。これは機会を逃すことに対する不安(Fear Of Missing Out)を意味するもので、多くの人々が購入に走っているのを目にすると、自分だけが取り残されることに恐怖を感じるようになる。
状況に対して英保健福祉省配下のイングランド公衆衛生サービス当局は、過剰な備えは必要ないとコメントしている。万一の隔離生活に備えることは必要だが、その場合もおおよそ2週間で終了することが見込まれるため、それを超える買い込みは不要だとのことだ。
トイレットペーパーの買い溜めが相次いでいるが、その裏には万国共通の人間心理が働いているようだ。
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