加工食品の何がいけないのか? 最新の研究結果に見る

Paule Joseph, Shavonne Pocock / NIH via AP

 ポテトチップスや炭酸飲料、冷凍ピザには塩分、糖分、脂質がたっぷり含まれている。そのような健康に悪影響を及ぼしかねない加工食品について、ほかにも問題点があるのか究明すべく、研究が進められている。

 安価な加工食品の普及は、すでに世界的な肥満率の上昇という問題を引き起こしている。しかし加工食品の利便性の高さと、加工食品に分類される製品が続々と販売されている事実を考えれば、加工食品を控えようとアドバイスしたところで無駄ではないかと思われる。

 最近実施された3件の研究により、急速に工業化を遂げた食品流通が健康に及ぼし得る影響について新たな情報が得られたが、同時に栄養学がいかに複雑であり、アドバイスを発信することがどれほど難しいかを示す結果ともなった。今回は、これらの研究についてまとめていく。

                                                                                                                 

◆「加工」の定義とは?
 塩漬け、冷凍、製粉、あるいは低温殺菌と方法は様々だが、ほとんどすべての食品には何らかの加工が施されている。食品を加工すればそれだけで有害となる訳ではないが、「加工食品」というと大抵ネガティブな印象がある。

 どのような加工食品が問題となるのかより細かく規定しようと科学者らが考え出したのが、食品を4つのカテゴリーにグループ分けする方法だ。この方法はとても完璧とは言い難いが、自然食品をほとんど、またはまったく使っておらず、大部分を工業的に加工処理した材料や添加物で作られた食品を、加工度の高い食品と規定している。

 加工度の高い食品の例として、炭酸飲料、パック詰めしたクッキー、インスタント麺、チキンナゲットが挙げられる。さらに朝食用のシリアルや、エネルギーバー、一部のヨーグルト製品といった一見すると健康的な製品もまた、加工度が高いものに分類される。

◆加工食品の問題点とは?
 安価な加工食品は、レジ横やガソリンスタンド、自動販売機などありとあらゆる場所で販売されているが、4週間の小規模な臨床試験の結果を見てみると、加工食品が肥満率を高める恐れがある理由を掘り下げられるかもしれない。

 アメリカ国立衛生研究所の研究員によると、ほとんど加工食品ばかりを摂取した場合、加工食品の摂取量を最小限に抑えた場合に比べて1日の摂取カロリーが平均500キロカロリー増加することがわかった。脂質、食物繊維、糖分といった栄養価を満たした食事を摂取してもらうよう配慮したにもかかわらず、この結果である。

 20人の被験者には、量を問わず好きな分だけの食事を許可し、診療所に通ってもらい健康状態と動向をモニタリングした。

 悪影響を指摘したのはこの研究だけではない。

 アンケートに基づき行われたほかの研究の結果、加工食品の摂取量が多い人は心臓疾患を患う可能性が高いことがフランスの研究者らの発表によって明らかになった。スペインで実施された同様の研究でも、加工食品の摂取量が多いほど全般的な死亡リスクが高くなるという結果が出ている。

◆加工食品についての見解は?
 チーズスナックやアイスクリームといった加工食品の摂取を止めることが難しいのには、とても美味しいという点以外にも理由がある。

 加工食品の摂取量を最小限に抑えた場合、臨床試験被験者の食欲を抑制するホルモンの分泌量が増加し、空腹を引き起こすホルモンの分泌量は減少した。このような生体反応が起こった理由はわかっていない。そしてもう1点、加工食品の場合には被験者の食事のスピードが上がるという結果が出た。

 こちらの研究を主導した国立衛生研究所の研究員、ケビン・ホール氏は、「加工食品は比較的柔らかいものが多く、咀嚼、嚥下が簡単という傾向があります」と言う。

 このような特徴が見られる原因は、栄養素にあるとホール氏は指摘する。たとえばクッキー、ヨーグルト、炭酸飲料など加工食品に添加されている食物繊維と比べると、天然の果物や野菜から得られる食物繊維の方が満腹感を与える効果が高い。

 フランスで行われた研究の場合もまた、著者のマチルド・トゥビエ氏が、日常的に消費される加工食品の製造工程で使用される添加物の「混合物」について、ほとんどが検査対象となっていないが何らかの影響を及ぼしていると指摘した。

 しかし3件の研究のいずれにも、注意しておかなければならない重要な点がある。アメリカの研究は小規模なものであり、被験者の動向に大きなばらつきがあった。どちらの食事の場合もほぼ同程度のカロリーを摂取した被験者もいれば、加工食品を多く使った食事の摂取量がかなり増えた被験者もいた。

 2種類の料理はどちらも満足いくものだったと評価されているが、被験者が義務感からそう言った可能性もあるとホール氏は指摘する。加工食品を抑えた食事には、塩分を使っていないナッツや低脂肪乳が出されたが、加工食品を使った食事には、塩味のナッツや全乳が使われていた。

 フランスとスペインの研究については、そのほかの習慣や環境要因もまた健康リスクの差を生んだ要因となっている可能性がある。こちらの研究でも、各被験者のさまざまな違いを考慮していない。スペインの研究の場合、被験者は大学の卒業生で若者が多かった。そして加工食品と死亡リスクの増加に関係性が認められたものの、最終的な死者数はまだ比較的少ない。

◆何を食べるべき?
 今回の研究結果を見ずとも、大概の場合、加工食品を制限しようというアドバイスは理に適ったものだろう。加工処理を最小限に抑えた食品は、どこでも手に入る訳でも手軽に食べられる訳でもないため、より多くの栄養素を摂れるようになり、食べ過ぎを予防できると考えられる。

 しかしアドバイス通りの食生活は、食べるものに時間やお金をかけられないという人にとってはとくに難しい。

 ノースカロライナ州立大学で食品と不平等について研究しているサラ・ボーウェン氏は、「不満に思うのは、人々がそれぞれの食生活を選んだ理由を考えもせず、『食生活を変えよう』というメッセージが発信されていることです」と言う。

 ほかにも問題なのは、加工食品の種類が豊富であること、そして加工製品をより健康的に見せようと企業が改良を続けているため、健康に良いものと悪いものを区別しなければならないという点だ。最新の研究では、工業的に加工処理された食品を避けるべき理由が新たに見つかったが、解決策を見出すことの難しさもまた浮き彫りとなった。

Translated by t.sato via Conyac
By CANDICE CHOI AP Food & Health Writer

Text by AP