「雨傘運動」との違いは? 香港200万人デモ成功の理由

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◆自由な香港は中国の利益 現状維持が得策
 リム氏は、たとえ改正案の廃案を勝ち得たとしても、この先また違う戦いが待っているとし、一国二制度が終わる2047年はどんどん近づいていると悲観的だ。しかしブルームバーグのコラム記事は、変化を求めず現状維持なら望みはあるのではないかと見ている。

 香港は中国にとってのグローバル資本市場への窓口であり、いまでも大切な存在だ。世界の銀行家は香港の独立した司法制度、比較的クリーンな行政と市民の自由、自由な情報の流れを信頼しており、中国企業との契約締結場所として選んでいる。こういった魅力を減らし、企業や金融機関を移転させる何かが起きれば、それはグローバルな金融センターとしての香港の長期的生存の危機につながりかねない。

 香港の成功は中国本土とは違う体制がもたらしたものだと中国は知るべきで、勝手な制度変更を強行すれば、中国にとっての金のガチョウである香港を殺してしまう可能性もある。一国二制度の現状維持こそが香港、中国にとって最良の解決策だとコラム記事の筆者は主張している。

Text by 山川 真智子