「雨傘運動」との違いは? 香港200万人デモ成功の理由

Kin Cheung / AP Photo

「逃亡犯条例」の改正に反対する香港市民のデモは、16日に200万人の参加を記録した。キャリー・ラム行政長官は、改正案の審議の延期を発表し、政府側の対応のまずさを認め謝罪した。それでもデモ参加者は、改正案の廃案とラム行政長官の辞任を求め引く気配はない。デモがここまで勢いづいた理由とはなんだったのか。

◆香港社会団結 多様な層がデモに参加
 今回のデモ成功の理由は、2014年の反政府デモ「雨傘運動」と比較して語られている。「雨傘運動」は、香港行政長官選挙に際し、中国政府が民主派の候補者を実質的に排除する選挙制度を決定したことに抗議した民主化運動だ。中環(セントラル)地区の占拠、大規模デモなどが行われたが、運動が複数の派閥に分かれ、リーダーたちが逮捕されたことなどで行き詰まってしまった。

                                                                                                                 

 多くの識者は、雨傘運動に比べ今回のデモは多様な層から支持を受けているとする。ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)に寄稿した香港大学名誉教授、陳婉瑩氏によれば、雨傘運動の中心となったのは、自由選挙への希望を共有する、真面目である意味素朴な若い活動家たちだった。しかし今回のデモには、「逃亡犯条例」の改正をきっかけに一国二制度の崩壊を恐れた多くの市民が参加。学者、元政府関係者、宗教指導者、ビジネスリーダーを含む、ほぼすべてのセクターが団結したのだ。

 ブルームバーグによれば、今回とくに助けとなったのはビジネス界からの支持だという。雨傘運動のときは占拠が長引くにつれビジネスへの影響も大きくなり、活動家たちへの同情もしぼんでいった。それに対し、12日のデモでは、デモに参加する従業員にフレックスタイムを認める多国籍企業などもあった。経済への影響を心配し、商工会や外国企業団体が不満を表明した2014年とは大きく違っているという。行政長官の諮問機関、行政会議のトップ、陳智思氏も、ビジネス界の反発を軽く見ていたと述べ、審議継続の再考を政府に促したという。

Text by 山川 真智子