アメリカのネットいじめ、若者の4人に3人が「深刻な問題」 世論調査

AP Photo / Jessica Hill

 10代や20代前半の若者はネットいじめは彼らの世代にとって深刻な問題だと回答しているが、その大半は自分はデジタルいじめの標的にはならないと考えている。

 AP通信NORC合同公共問題調査センターとMTVが新たに行った世論調査では、若者とその保護者の約半数がソーシャルメディアはより若い世代に主に悪影響を及ぼすと考えていることも分かっている。

 マティ・ネヴ・ルビーさん(15)は、匿名の嫌がらせを無視することでInstagramなどのソーシャルメディアアプリとうまく付き合う方法を学んだ。

                                                                                                                 

「私の見た目や行動についてのすごく意地悪なコメントを、オンラインで言われても何とも思わないけど、知っている人が言っているのを想像すると本当に頭にくる」

  15~26歳の若者の約4分の3が、オンラインンいじめは彼らの友人にとって深刻な問題だと回答している。若者の7%がネットいじめの被害に遭ったことがあり、若い女性(11%)の方が若い男性(3%)よりネットいじめに遭う傾向が強い。

「人の服装や体重、好みを馬鹿にするんです」とルビーさん。コネチカット州ハートフォード郊外在住の彼女は、12歳でソーシャルメディアに手を出した。

 今夏、中国の動画共有アプリTikTokに統合されたリップシンク動画投稿アプリMusical.lyで人気を得た彼女は、何件かのモデル契約を結んだ。現在、彼女が主に利用しているのは、メイクアップアーティストやファッションのトレンドをフォローしているInstagramだ。

 ルビーさんの母ケリーリン・マホニーさんは、ネットいじめをものともしない娘の力に感心していると話す。

「娘の対応には驚かされます。私があの年齢だったら怒り狂うでしょうけど、あの子ときたら、『そんな風に思うなんて残念。もっとポジティブに考えたら? そうすれば地球はもっと平和になるのに』って調子なんだから」

  しかし、マホニーさんは娘のアカウントの監視を怠らない。不審なフォロワーをブロックし、女性を貶めるページばかり娘が閲覧しないように気を配っている。

「あの子の足を常に地につかせておかないといけませんから。娘がこれは現実じゃないとわかっていてよかった。子どもたちを現実に引き戻すのが親としての務めです」

 今回の世論調査によると、若者とその保護者の大半が保護者にはネットいじめを防止する責任があると考えている。

 長期にわたり実証されているネットいじめの問題は、執拗である点だ。子どもたちが学校から帰宅し家の中で安全にいるときにも、いじめる側と距離を置いたとしても、それは止むことがない。だが、ルビーさんのように、多くの若者がネットの荒らし行為に対する回復力を強めている傾向がある。

「相手が誰だか分からなければ、さほど気にもしないようです」と、ウィスコンシン大学オークレア校刑事司法学教授でネットいじめ調査センター共同代表のジャスティン・パッチン氏は話す。「気にするのは、それが同じ学校の子どもだったときです」

 パッチン氏によると、大人の場合、嫌がらせを続けるのは知り合いではなく面識のない人物の傾向がある。

 アリゾナ州ツーソン在住のレスリー・エルナンデスさん(39)は、彼女の世代にソーシャルメディアが与えた影響はポジティブなものが多いように思うと話す。

「大人は思春期の子どもが好きなドラマチックな出会いを敬遠するので、昔からの知り合いと繋がるようになるんです」

 今回の世論調査によると、彼女は少数派だ。15~26歳の子を持つ親の約4分の1にあたる 23%がソーシャルメディアは彼らの世代に概ねいい影響をもたらしたと回答したが、31%は悪影響があったと回答し、45%がどちらでもないと回答した。15~26歳の人たちでは、47%が彼らの世代に悪影響があったと回答し、26%がいい影響があったと回答し、26%がどちらでもないと回答した。保護者の約半数の53%がソーシャルメディアが子どもたちの世代に概ね悪影響を与えていると考えている。

 世代にかかわらず、圧倒的多数が差別的な言葉を使ったり差別的な画像を投稿したりする人を知っていると回答している。15~26歳の人の78%がそのような投稿をたまにまたはよく目にすると回答しており、親の世代では65%がそう回答している。差別的な言葉や画像を目にしたことがないと回答したのは若者の4%、保護者の10%にとどまった。

 FacebookやTwitterなどの企業は、成功の度合いはそれぞれ違うものの、長年にわたりネット上のいじめや嫌がらせの取り締まりに尽力している。保護者(72%)と子ども(67%)のいずれも、これらの企業がこれらの問題への対処にあたり重要な役割を果たしていると考えている。

 約3分の2の保護者が、学校(68%)、警察(66%)、いじめや嫌がらせを目撃した他のユーザー(61%)にも責任があると考えている。

 現在、若いインターネットユーザーは、YouTube(48%)、Facebook(47%)、Instagram(40%)、Snapchat(39%)を使って1日に複数回投稿する。普段からTwitter、Reddit、WhatsApp、 Tumblr、LinkedInを使う若者の割合は低い。インターネットを利用する保護者はFacebook(53%)を使って1日に複数回投稿する可能性が最も高く、他のソーシャルメディアのヘビーユーザーはごく少数だ。

 大学で学生寮の管理人をしていることもあり、Facebookを「けっこう利用している」というエルナンデスさん。

「Snapchatにはあまり親しみを感じません。Facebookならフォローしている人たちの普段の様子をいつでも見られます。Snapchatの画像はすぐ消えてしまうけど。Instagramでも画像は楽しめますが、日常を全部見られるわけではないので」

By MATT O’BRIEN and BARBARA ORTUTAY, AP Technology Writers
Translated by Naoko Nozawa

Text by AP

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