婚外子の割合が増えるヨーロッパ、70%の国も 変化する結婚への意識

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 筆者(スイス在)の息子のクラスメイトZ君の両親は事実婚をして同居している。Z君は母親と同じ名字で、Z君の兄は父親と同じ名字だ。以前のクラスメイトのなかにも、両親が事実婚の子がいた。3人きょうだいが母親の籍に入っていて、父親だけ名字が違う。こんなふうに結婚せずに子供をもつケースはスイスではときどき見かけるし、シングルファーザーやシングルマザーも見かける。2016年、スイスでは、新生児に占める婚外子の割合は24.2%だった。それがEU全体だと、1.76倍の42.6%にもなる(ユーロニュース)。

◆アイスランドは70%、フランスやブルガリアは60%
 ユーロニュースは、欧州連合統計局(eurostat)が公表した統計結果をまとめている。統計は、EU28ヶ国に、4ヶ国のヨーロッパの国々(アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン)の数値を加えた32ヶ国の状況だ。結果は表1の通り。510万人(EU加盟国のみ)の新生児が婚外子で、32ヶ国中、45%以上だったのは、スペインの45.9%からアイスランドの70%まで実に15ヶ国だった。

 2000年の状況と比べると、すべてのEU加盟国で割合が増加した。とくに南ヨーロッパでの増加率が目立ち、表2のようになった。9.4%と32ヶ国中で最も婚外子の割合が少ない(80%以上の子供が結婚したカップルから生まれた)ギリシャでも、2000年は4%で2倍以上になっている。

Text by 岩澤 里美