生ごみ、注射針、排泄物……汚れるサンフランシスコ 繁栄の陰で進行する問題

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◆影響は他にも拡大 求められる根本的解決
 ゴミ問題の影響はさまざまなところに広がっている。注射針や排せつ物などは、児童が歩く歩道にも散らばっており、それらに触れることの危険を未就学児にまで教えなければならなくなったという教師の嘆きをNBCは紹介している。

 衛生上の懸念から、シカゴを拠点とする医療組織が1万5000人を集めて開く予定だった大イベントがキャンセルされたと、サンフランシスコ旅行協会が発表している。同協会によれば、2017年に観光客がサンフランシスコ市で使った金額は90億ドル(約1兆円)以上で、観光業への影響も懸念されている(NPR)。

 サンフランシスコ市の来年度予算案での道路清掃費は、7100万ドル(約80億円)に上る。予算は5年間で倍増しており、前出のヌル氏は、半分が歩道の注射針や汚物の清掃に使われると見ている。本来、歩道の清掃は市の業務ではなく歩道に面する土地所有者の仕事だが、あまりに状況がひどいため、市が肩代わりし清掃を強化しているという(NBC)。

Text by 山川 真智子