ゲーム障害、WHOが疾病に認定 「何でも病気に」ゲーマーからは不満の声

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 世界保健機関(WHO)は18日に公表した「国際疾病分類」の最新版で、オンラインゲームやテレビゲームに依存して日常生活に悪影響が出る「ゲーム障害」を疾病の1つに加えた。治療の促進が期待される一方で、時期尚早との見方や、ゲームユーザーからの反発の声も上がっている。

◆ゲーム障害、病気と診断される基準は?
 WHOは、「国際疾病分類」の中でゲーム障害をギャンブル障害と同じ依存症の一種と位置付け、ゲーム障害の症状の特徴として以下の3つを挙げた。

                                                                                                                 

1. ゲームに関して頻度や時間などのコントロールが損なわれる
2. ゲームの優先順位が上がり、その他の関心事や日常の活動より優先されるようになる
3. 悪影響が出ているにもかかわらず、ゲームを続けたり、エスカレートしたりする

こうした行動が少なくとも12ヶ月続く場合に、ゲーム障害と診断される可能性があるという。

 WHOのメンタルヘルス・薬物乱用部門のSaxena 博士は、ゲーム障害にかかっている可能性がある人はゲームをしている人全体の2~3%だと推定している(AP通信)。

◆認定に賛否両論 ゲーマーからは反発の声
 ゲーム障害を疾病と認定することには賛否両論がある。認定されることで治療が活発になると歓迎する声がある一方で、単に長時間ゲームをしていることが周囲に病気と受け止められるようになるのではないかとの懸念も出ている。

 英国心理学会の広報担当者は、ゲーム障害が認定されたことは「部屋で何時間もゲームをしている子供すべてが依存症だという意味ではないことを理解する必要がある」とし、認定によって親が過剰な不安を抱くことに懸念を表明した(AP通信)。

 ツイッター上では、「長時間ゲームをやっているが、自由意志だ」、「これが認められたら何でも病気にされてしまう」などとゲームユーザーから反発の声も上がっている。

 また、ゲーム障害の原因の根底にはうつなど別の障害があるという見方もある。心理学者のアンソニー・ビーン氏は、疾病の認定は時期尚早だとし、「不安やうつへの対処が行われれば、ゲームのプレイはかなり落ち着く」と指摘した(米CNN、18日)。

◆入院治療も ゲーム障害への対策進む
 疾病としての認定には賛否両論があるが、ゲームのやりすぎで死亡した事例もあり、各国で対策が急がれている。米国では、インターネット中毒やゲーム依存症への対処法として、入院して治療を行うプログラムも実施されている。そうしたプログラムの1つである「reSTART」は、認知行動療法などのケアのほか、栄養指導やスポーツ、週末のアドベンチャー活動といった多彩なプログラムで治療を行うとしている。入院期間は個人の希望も含めて決定されるということだが、問題を多く抱える患者の場合には90日など長期の滞在を想定しているようだ。

 日本でも、2011年に国立病院機構久里浜医療センターにネット依存治療部門が設置されるなど、専門的な治療が行われるようになりつつある。

Text by 後藤万里

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