愛があってもベッドは別 「睡眠離婚」をするアメリカ人が増加中

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「夫婦は1つのベッドで寝るもの」とされるアメリカで、夫婦仲に問題がなくても別々のベッドや寝室で寝るケースが、近年増えているという。原因はパートナーに安眠を妨害されることだ。睡眠不足はストレスとなり、夫婦関係を壊しかねない。愛をキープしたいなら、むしろ寝るスペースを分けるべきという考えが理解を得つつある。

◆仲良し夫婦でも悩む、パートナーの問題の数々
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)によれば、アメリカの夫婦の4組に1組が、別々のベッドで寝ているという。また、インサイダー誌によれば、あるマットレス・ストアが行なった3000人を対象にした調査では、31%の回答者がベッドを分ける「Sleep Divorce (睡眠離婚)」をしたいと答えたという。

                                                                                                                 

 夫婦仲が悪くなったから別々に寝るという場合もあるが、かなりの数の人々が、パートナーのいびきがひどい、布団を取られる、寝相が悪いなどの問題を抱えており、これが「睡眠離婚」の理由となっているらしい。

◆寝不足で愛も枯れる? 一緒に寝るからこそ悪化する夫婦関係も
 トロントのライアソン大学の研究によれば、同じベッドで寝る夫婦は、夜の間常にパートナーの動きや音によって起こされ、深い眠りに入れないという。カリフォルニア大学バークレー校の研究では、睡眠不足がパートナーに感謝を表す能力を制限させることがあることも分かっている(インサイダー誌)。

 米NBCのニュース番組、トゥデイに登場した40代の女性は、夫の体温の高さといびきでぐっすり眠れることがなく、寝室を分けることにしたと説明している。「一緒に寝ないことが結婚を壊すのと同様、一緒に寝ることが夫婦関係を害することもある」というこの女性は、「睡眠は誰にとっても大切。それより大切なのは、自分のパートナーの人生が少しでも楽になる何かにお互いにトライすること」と語っている。

◆睡眠離婚は夫婦の選択 話し合いと代わりの時間を
 しかし夫婦関係を専門とするセラピストのポーレット・シャーマン氏は、睡眠離婚は大切な夫婦の絆や親密さを深める時間を奪ってしまうとインサイダー誌に語る。同氏はできるだけ一緒に寝ることを勧めているが、最終的には、一緒に寝るか寝ないかは夫婦自身の選択だと説明する。睡眠離婚が本物の離婚を食い止めると感じるなら、それも理解できると同氏は述べ、日中できるだけ一緒にいて互いに触れ合う時間を作るなど、積極的な試みが必要だとしている。

 夫婦セラピストのタマラ・グリーン氏は、睡眠離婚で夫婦関係が改善した例も見てきたとし、互いに話し合い納得したうえでの選択であることが大切だと述べる。夜の夫婦生活がなくなってしまうのではという懸念に対し、ベッドを別にしても性的関係を維持することは可能で、日にちを決めてカレンダーに記入し、その日は絶対に忘れないというルールにしておくことを勧めている(トゥデイ)。

◆あなたも当てはまる? 相手の困った睡眠パターン
 WSJは、睡眠に関して互いにかみ合わないカップルの6つのパターンを以下のように紹介している。

1. 一方のいびきがひどく、他方が平穏を求める場合
2. 一方が早起きだが、他方がもっと寝ていたい場合
3. 一方が寒がり、他方が暑がりの場合
4. 一方がくっつきたがり、他方が接触をいやがる場合
5. 一方が固いマットレスを好み、他方が柔らかいマットレスを好む場合
6. 一方の動きが激しいため、他方が丸く固まって寝ている場合

 1から5に関しては、工夫をこらした枕、アイマスク、ベッドシート、マットレスなどを利用することにより、一緒に寝続けることができるとしている。6に関しては、動き回る方に重い布団をかけることを勧めているが、それでうまくいかない場合は、別々のベッドが最良ではないかと述べている。

Text by 山川 真智子

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