AKBは日本の恥!? 東京五輪出演の噂、英紙が反応 AKB擁護派は論調に怒り

 CDの総売り上げ枚数は3000万枚以上、2013年は150億円以上を売り上げた、AKB48。アイドル界の頂点に立つ彼女たちが、2020年の東京オリンピックの開会式に出演するという報道が先月末話題となった。AKB48総合プロデューサーの秋元康氏はこの報道を否定したが、海外メディアは日本で論争が巻き起こっている様子を報じている。

◆著名人や批評家もガッカリ
 英ガーディアン紙は、東京五輪組織委員会の理事に昨年選ばれ、AKB48をプロデュースする秋元康氏が、グループからベストメンバーを選び、五輪の晴れ舞台で歌って踊らせることを提案したと報じた。

 このアイデアに、タレントでコラムニストのマツコ・デラックスさんが不満を表明。ラジオ番組で「絶対開会式でやってほしくない。開会式と閉会式に出ないんだったら何やってくれてもいいけど、開会式と閉会式だけは、恥ずかしくないものにして」と述べて話題となった(ガーディアン紙)。また批評家の間からは、11歳のメンバーがいる、ミニスカート姿で揃いの振り付けの10代向けポップは五輪には適さない、という意見も出された(サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、以下SCMP)。

◆ソーシャルメディアでは意見が分かれる
 ソーシャルメディアではAKB起用には賛否両論があった。ロケットニュース24では「日本の恥」という人もおり、(ガーディアン紙)、ジャパン・トゥデイのコメンテーターは、「AKBを五輪に投入するなら、豊かで多彩な歴史を持つ日本にとっては間違いなく大恥」と批判したらしい(SCMP)。

 擁護派は、AKBは東日本大震災の後、援助のための資金集めをし、日本の「ソフトパワー」外交においても大使の役目をはたしてきたと主張。「国内外で日本を代表し、こんなに役に立ってきたのに、なぜ恥なのか」と反論している(ガーディアン紙)

◆海外読者コメントでは鋭い指摘も
 海外各紙は、グループを知らない読者のために、ビデオ映像で紹介している。さらに英テレグラフ紙は、AKB全体で140人のメンバーおり、ファンの投票でミュージック・ビデオ等への出演が決まると説明。年上のメンバーが卒業することで若返り、ファンの夢を壊さないよう彼氏は厳禁、握手会等で「会いに行けるアイドル」であることなども伝えている。

 テレグラフ紙には、AKBのニュースに対し、「大人がこんなゴミみたいなものを思いついて売り出す惑星に住んでいる自分が恥ずかしい」、「西洋人はレディー・ガガが尻を出すのは恥ずかしくないのか」という厳しいコメントもあれば、「AKBってラップもあり?やられたら苦痛」、「140人もいたら、まあ数人はラッパー確実」、「五輪の頃にはメンバー30代だろ?」、「ちゃんと読めよ。卒業するの」などと見事なボケ・ツッコミも見られた。

 一方ガーディアン紙のコメント欄には、このニュースを取り上げた記者への批判が、特に日本人と見られる読者から集まった。「この報道の論調では、AKBは恥ずかしくてひどいというのが総意と言う感じ」、「記者はロケットニュースのような、笑えて変な日本ネタを得意とするサイトをネタ元にしてる」、「日本の外国人記者は、英語圏の読者が日本をバカにして悦に入る記事を書く」などと辛辣だ。

 また、「AKB出演は決定じゃなく、秋元氏が提案しただけって書いてある。そんなことより、AKBにすごい利害関係のある人が、五輪組織委に入っていることがニュースでしょ」という鋭い指摘もあった。

Text by NewSphere 編集部