コンテンツマーケティングとは何か? 特徴や導入の仕方をご紹介!

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 コンテンツマーケティングとは、企業が顧客にとって価値のあるコンテンツを作成・配信していくことで見込み顧客を増やし、実際の購買を促して見込み顧客をファンとして定着させることを目的としているマーケティング手法のひとつです。

 SEO対策の点からもWebを通じた集客には欠かせないコンテンツマーケティングですが、こちらの記事ではコンテンツマーケティングの特徴や簡単な導入の方法、もともと会社が持っているコンテンツを活用できるのかどうか、導入のための費用はどの程度かかるのかなど、コンテンツマーケティングの導入を考えている方が疑問・不安に思う点について解説していきます。

 海外でのコンテンツマーケティング事例についても、BtoC・BtoBそれぞれの事例をご紹介しますので、自社にコンテンツマーケティングを導入する際の参考にしてみていただければと思います。

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コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングの特徴

 はじめに、コンテンツマーケティングとはどんなマーケティング手法かについて改めて確認していきましょう。コンテンツマーケティングとは、顧客にとって価値のあるコンテンツを作成しさまざまな手法で配信することで、まず見込み顧客を増やし、ゆくゆくは購買へつなげていくというマーケティング手法です。コンテンツを自社で配信することにより、商品や企業のファンを獲得し、短期的な売り上げの増加だけではなく中長期的に収益を増やしていくことを目標としています。

 他のマーケティング手法との大きな違いとしては、企業側が伝えたい情報ではなく「顧客が知りたい情報」にフォーカスしてコンテンツを配信する点が挙げられます。顧客のニーズに応じて作成されたコンテンツは半永久的に残るため、顧客へのアプローチに役立てられる自社の資産として長い間活用できます。関連するコンテンツを増やしていくことで情報の網羅性を高めやすい他、中長期的な費用対効果の高さもメリットのひとつです。

 一方でコンテンツが拡散されるまでにある程度時間がかかることから、短い期間では効果が表れにくく、成果が出るまでに時間がかかることがデメリットといえます。また、成果が出るまで継続した情報の発信が必要で、コストや手間がかかってしまうのもデメリットのひとつです。

コンテンツマーケティングの種類

 コンテンツマーケティングにおいて、コンテンツを配信する方法にはいくつかの種類があります。

ブログ、Web記事などのストック型
 Webメディアやブログなどに掲載される、記事形式のコンテンツをストック型といいます。作成したコンテンツは過去の記事のアーカイブとして半永久的にWebサイト上で保持しておけるため、中長期的に効果を期待できる自社の資産のひとつに数えられるのが特徴です。

ホワイトペーパー
 マーケティングにおけるホワイトペーパーとは、企業が顧客向けに、自社サービスに関する情報をまとめた資料を指します。ホワイトペーパーは、顧客側に企業名・役職・連絡先といった個人情報を入力することを求めるケースが多いです。役に立つ資料を提供することで、自社のサービスについて興味や関心を持っているのはどんな顧客なのかという情報を集めることができるのです。

動画活用(YouTube,InstagramなどSNSを利用)
 動画コンテンツも、コンテンツマーケティングに多く活用されています。内容としてはホワイトペーパーで提供されるものに近いですが、動画というメディアの特性を活かして、ツールの使い方やサービスを導入した際のイメージなどを視覚的にわかりやすく伝えられるというメリットがあります。

コンテンツマーケティングの始め方

ペルソナ設定、カスタマージャーニーマップ、コンテンツマップの作成

 コンテンツマーケティングを始めるにあたって、まず設定しなければいけない3つの要素があります。まずはペルソナの設定です。ペルソナとは何かというと、セグメンテーショングループの代表となる人物像を詳細にイメージしたものです。見込み顧客を個として捉え、とあるひとりの顧客にまで絞り込み想像することで、ユーザーの抱える問題や悩みがより具体的に見えてきます。その結果として、問題・悩みの解決のためにはどのようにアプローチしたらいいのかがわかりやすくなります。ペルソナを設定することで、作成したコンテンツを誰に向けて発信するべきかが明確になるのです。

 続いて、カスタマージャーニーマップの作成です。顧客がどんな人物か、どのような問題を抱えているかが明らかになった後は、商品の認知から購入に至るまでの過程をイメージする必要があります。カスタマージャーニーマップを作成することで、見込み客が商品の認知から購入までの道程でどのような情報を必要としているかを時間軸ベースで確認していくことができます。

 そして次に、コンテンツマップを作成します。ペルソナで顧客像を、カスタマージャーニーマップで顧客が商品を認知・購入するまでの過程をイメージしどのような順番で情報を提供するかを想定したら、最後にその情報ニーズに応じたコンテンツはどんなものかを決めて、カスタマージャーニーマップにあわせて記載することで、コンテンツマップが完成します。

CTA,KPIの設定

 続いて、CTAとKPIを設定する必要があります。CTAとは、Call to Actionという言葉の略語です。顧客に対し、取ってもらいたい行動を知らせて呼びかけることを指す言葉がCTAです。具体的な例を挙げると、メールマガジンの購読や商品カタログのPDFファイルをダウンロードしてもらうことなどがCTAに当たります。CTAは、先ほど設定したカスタマージャーニーマップのどの段階かによって内容が変化します。ひとつひとつのCTAを順番につなげていくことで、最終的に購買に結びつきやすい設計のWebサイト制作に役立つのです。

 逆にいうと、それぞれの段階におけるCTAが連鎖していない状態では、見込み顧客が購買する段階にたどりつくまでに迷ってしまう可能性が高くなってしまいます。CTAを数値に置き換えたものがKPIです。Webサイトのアクセス数や滞在している時間の長さ、検索サイトからの流入数、コンテンツのダウンロード数などが具体的なKPIの一例です。KPIを計測することで、CTAがうまく機能しているか、それぞれの連携が取れているかなどを確認できます。コンテンツマーケティングにおいては、さまざまなKPIを計測しながら設定したCTAのパフォーマンスを上げていき、ビジネス上の最終的な目標と相関する指標を探ることが大切です。

パートナーの選定

 コンテンツマーケティングを始める場合、自社でその業務に回す分のリソースを確保できるのかどうかを正しく把握することが大切です。自社内でしっかりリソースを割いて取り組めるのであれば問題ないですが、リソースの確保が難しいのであればパートナー企業を選定し、コンテンツマーケティングに関する業務を外注する必要があります。

 パートナー企業にコンテンツマーケティング業務を外注するメリットとしては、リソースを気にしなくて済むため安定したコンテンツの作成・供給が可能になることの他、コンテンツマーケティングのプロとしてさまざまな業務にあたってきたパートナー企業のノウハウを活かせること、コンテンツの質を向上させられることなどがあります。パートナー企業選定のポイントとしては、自社のサービスや商品についてきちんと理解のある企業を選ぶことが大切です。

コンテンツマーケティングの事例

BtoC

まずはBtoCのコンテンツマーケティング成功例についてご紹介します。いずれも自社メディアを利用した例です。

北欧、暮らしの道具店
 EC・メディア事業等を手掛けているクラシコムが運営しているオウンドメディア兼ECサイトです。北欧の雑貨や食器といった商品を販売する他、日々の暮らしにまつわる特集を組む、バイヤーや店長などのスタッフによる新商品の情報を中心としたコラムを配信するなど、ECサイトとオウンドメディアを融合させた形でコンテンツを配信しています。購入へと誘導するため、商品紹介では使用例の画像や気になるポイントの紹介などをさりげなく、そして詳しく紹介しています。

トヨタイムズ
 トヨタの運営するオウンドメディアです。新車をはじめとした商品の紹介ではなく、トヨタの春交渉や販売店に関する取り組み、Woven Cityの紹介、対談などのコンテンツを配信しています。

Red Bull
 取り扱っている商品と同じ名前のWebサイト「Red Bull」は、いろいろなスポーツのトップアスリートをはじめとした各ジャンルのプロフェッショナルを紹介するサイトです。エナジードリンクの購買層としてターゲットにしているのはアスリートや忙しい日々を過ごす社会人・学生たちであるため、そういった顧客に響くコンテンツを展開しています。

BtoB

HubSpot ナレッジベース
CRMプラットフォームの開発・販売を行っているHubSpotでは、「HubSpotナレッジベース」というメディアを運営しています。各ソフトウェアの操作方法が閲覧できる他、マーケティングの知識やノウハウなどの情報を発信しているブログが運営されています。基礎的な知識やサービス、ツールを紹介している記事、HubSpotの取り組みや独自調査の結果を報告する記事などが主なコンテンツです。メールマガジンの登録や無料ツール、ダウンロードコンテンツへ誘導するCTAがしっかり設置されています。

wisdom(NEC運営)
 ビジネスのトレンドや新しい技術・ソリューションを、国内外を問わず紹介しているメディアです。さまざまな内容の記事が更新されるのに加えて、wisdom主催のイベントが開催されたり、メールマガジンが配信されていたりと、さまざまな形のコンテンツが作成・発信されています。メディアに掲載されている記事の内容は、課題解決に取り組むクライアントに取材したものからイベントのレポートまで、自社の独自コンテンツが中心です。CTAとして、セミナーへの応募フォームが設置されています。

サイボウズ式
ワークスタイルやマネジメントといった、企業のいろいろな分野で起こる問題について提唱し、ユーザーにとって有益な情報を発信するメディアです。
インタビュー形式・マンガ形式のものなど、ユーザーにとって情報がよりわかりやすく、受け入れやすくなるような形でのコンテンツ発信が特徴です。

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Text by NewSphere 編集部