「現金を使うのは、特別な時って考えたら?」 現金とキャッシュレス決済の取り入れ方

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 経済産業省が主体となって推進している「キャッシュレス・ポイント還元事業」のロゴをいたるところで目にした方は多いのではないだろうか。2019年は「キャッシュレス元年」とも呼ばれ、さまざまなキャッシュレス決済サービスが誕生し、市民権を得る年となった。

◆まだ道半ば? 日本のキャッシュレス浸透率
 官民をあげた様々な施策により、日本のキャッシュレス決済比率は年々増加している。しかしキャッシュレス化が進む各国と比較すると、まだ浸透しているレベルとは言い切れない。その背景は、正確に機能する現金決済のインフラにある。ATMや自動販売機、スーパーのレジなどで、お釣りをごまかされたり、キャッシュカードが飲み込まれたり、という心配は日本国内ではほぼなく、コンビニエンスストアでは24時間現金を引き出すことができる。このように日本では、現金を使うことによる不満やストレスを感じる機会が少ない。

各国のキャッシュレス決済比率の状況(2015年、2016年)

キャッシュレス・ロードマップ 2019

 隣国の韓国では、2016年度時点で96.4%の決済がキャッシュレスで行われている。1997年のアジア通貨危機が契機となりクレジットカードの普及が急速に進められたことで、世界有数のキャッシュレス大国となった。これにより、脱税の防止力が強化され、貨幣の流通量が少なくなることで製造にかかるコストも削減できるようになったというメリットも生まれている。

 また、年間のクレジットカード利用額の20%を上限30万円として所得控除したり、クレジットカードを利用することで宝くじに参加できる権利を付与したりと、一般消費者にとってもメリットが感じられる施策が複数展開されている。

◆現金とキャッシュレスの使い分け方とは?
 現在では、日本でも急速にキャッシュレスインフラが整いつつあり、硬貨を持ち歩いたり、ATMを利用して手数料を支払う必要がなかったりと、キャッシュレスがメリットになる機会は多々発生する。例えば、インターネット通販では当たり前のようにクレジットカードを使っている方も多いだろう。もし、クレジット払いが利用できなかったらと思うと、改めてその利便性を感じる方は多いのではないだろうか。

 一方、今まで現金で金銭管理をしていた方は、急速にキャッシュレス化を進めてライフスタイルを変えるのは難しい、という場合もある。利便性は感じつつも「キャッシュレスを使う機会がわからない」「やっぱり現金が安心」と考えている方に向けて、三井住友カードがキャッシュレスと現金の使い分けをユニークな視点で切り取っている。まずはこの動画を見ていただきたい。

 荒野で焚き火を囲んで座る青年のもとにひとりの旅人が近寄り、隣に座る。すると青年は、お釣りはおこづかいにしていいと小銭を預かり、おつかいをした子供時代の思い出を懐かしそうに語り始め、お金(現金)は奇妙なものだけれど、そのような風景がなくなってしまうのは寂しい、とこぼす。対する旅人は「現金を持っているのは、特別な時って考えたら?」と提案。いつもは身軽に、思い出には現金を。話し終えた彼は「今日の思い出に」と小銭を青年に渡し、暗闇の中新たな旅に出るのだった。

 今までの当たり前を180度変えるのは誰にでも難しく、面倒に感じることもある。また、子供にお金の重要さや使い方を教えるときには、キャッシュレスよりも手に取れる現金のほうが伝えやすいかもしれない。

 子供の金銭に関する教育、神社などの観光地を巡ったとき、結婚式のお祝いなど、現金のほうがふさわしい場面はたくさんある。一方、このCMが提案するとおり、キャッシュレスは身軽で、日常のちょっとした買い物やインターネット通販など便利な場面も多くなってきた。キャッシュレス化が進められていく中、「現金を使う場面を自分で決めておく」ことが、消費者としてお金と賢く付き合っていくために必要な気構えなのかもしれない。

 本作品は現在、プロローグを含めて全4話が公開されており、当作品はその最新作となっている。全篇を通じて今まで信頼を寄せていた「現金」の気づかなかった側面など、様々な角度からお金について考える機会を提供する、示唆に富んだストーリー展開となっている。

その他3つの動画もご覧になりたい方は以下の特設サイトから視聴できる。
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提供:三井住友カード株式会社

Text by NewSphere 編集部