不眠症と睡眠時無呼吸の併発、死亡リスク2倍に 豪研究

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 眠りたくても満足に眠れない状態が続いているという人は、何かしらの睡眠障害を患っている可能性がある。睡眠障害のなかでもよくある疾患が、不眠症と睡眠時無呼吸症候群だ。寝付きにくかったり途中で目が覚めてしまったりと、不眠に苦しむ人は案外多い。また、いびきが頻発したり呼吸が一時的に止まったりする無呼吸も比較的よくみられる症状だ。しかし軽視はできないもので、これらに同時にかかると死亡率が高まることが報告されている。

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◆15年間の死亡率は2倍
 不眠症または睡眠時無呼吸症候群を患う人々については、これまでにもそれぞれ死亡率の上昇が認められてきた。しかし、これら2つの疾病を同時に罹患した場合、どのような影響があるのかは十分に解明されていなかった。そこでオーストラリア・フリンダース大学で睡眠と健康の関連を研究するバスティン・レヒャト博士らのチームは、5000人以上の健康データを解析することで両疾病と死亡との関連性を調査した。

 研究では両方を併発している人々を、頭文字を取ってCOMISAと呼んでいる。研究の結果、COMISAである人々が調査対象の15年間に死亡した割合は、どちらも患っていない人々に比べて約2倍に達することが判明した。死亡率のみならず、高血圧になる確率も2倍、心血管疾患となる確率も1.7倍となっている。研究結果は現在、呼吸医学の学術誌『ヨーロピアン・レスピラトリー・ジャーナル』に正式な論文として掲載するための準備が進められている。

◆最大3割の人が悩む一般的な疾患
 レヒャト博士はフリンダース大によるリリース(12月14日)のなかで、「不眠症と睡眠時無呼吸症候群の2つは睡眠障害として最も一般的なものであり、人口の10%から30%ほどにみられます」と述べ、多くの人々を悩ませている症状だと説明している。これらを同時に罹患した場合のリスクはあまり評価されてこなかったが、併発した場合は少なくとも「どちらの症状もない、あるいは片方だけを患っている人々よりも、健康状態は一貫して悪い」傾向が知られてきた。2つを同時に患うことによる死亡率への影響を正確に評価したのは、本研究が初めてとなる。

 米ミネソタ州のポスト・ブリティン紙(12月14日)は本研究を取り上げ、「不眠症と睡眠時無呼吸症候群は、あなたの生活の質を下げたり健康を損なったりする可能性がある。これらの睡眠障害を両方患っていると、心疾患と死亡のリスクはさらに上昇するかもしれない」と総括している。単体でも望ましくない睡眠障害だが、それらが重なった際の影響について改めて警鐘を鳴らす研究結果となった。

◆同時に患う例は多く
 調査ではアメリカに住む5000人分の大規模なデータセットを活用した。対象期間の開始時において60歳前後であった人々のデータを分析し、その後15年間での死亡率と疾病の罹患率を比較した。不眠症とはいってもさまざまな程度があるが、本研究では月の半数を超える日において入眠困難または中途覚醒を経験し、かつ日中の活動に何らかの支障がある状態を不眠症と定義している。また、睡眠時無呼吸症候群については、1時間に無呼吸と低呼吸の合計回数が15回以上である人々を該当者とした。

 不眠症と睡眠時無呼吸症候群は併発することが多いと知られている。レヒャト博士が勤めるフリンダース大学の研究機関では、その理由の解明に向けた研究を継続して行なっている。併発している人々については単体の治療とは異なるアプローチが必要となる可能性もあるとして、博士たちはさらなる研究を進める方針だ。身近な睡眠障害について、健康に与える影響や改善法などが今後も明らかになってゆくことだろう。

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Text by 青葉やまと