7時間未満の睡眠、体重増加につながる可能性 不健康な間食の傾向 米2万人調査

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体型をキープしたいのに、ついおやつに手が。こんなジレンマは、睡眠時間を改善することで解消できるかもしれない。アメリカの研究チームが、睡眠と食欲の関係性を指摘している。睡眠時間が足りていないと、より不健康な間食に走る可能性が高まるようだ。

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◆2万人のデータを分析
アメリカでは成人の睡眠時間として、米睡眠医学協会などが7時間を推奨している。これを下回ると肥満など複数の生活習慣病を招くことが以前から指摘されてきたが、今回新たにその理由のひとつが解明された。睡眠不足の状態になると、正規の食事以外に好ましくないおやつをつまみがちになるのだという。

研究はオハイオ州立大学で栄養学を専門にしているクリストファー・テイラー博士らのチームが行った。チームは2007年から2018年にかけて収集されたアメリカの成人約2万人分のデータを基に、睡眠と食習慣の関連を分析した。データには調査参加者の1日の食事内容と、仕事のある日の平均睡眠時間などが記録されている。

チームは記録内容を基に、推奨睡眠時間の7時間を満たしているグループとそうでないグループに参加者を分類した。それぞれの食事内容を分析したところ、95%を超えるほぼ全員が1日に1回以上の間食を行っており、間食の習慣自体は睡眠時間に関係なく行われていることが判明した。問題はその内容とカロリーだ。

◆睡眠不足だと間食のカロリーが増加
チームはさらに米農務省のデータを参照し、それぞれの群が摂取したカロリーを推定した。結果、睡眠時間にかかわらず、間食のカロリーの50%以上が炭酸ドリンクやポテトチップ、そして菓子パン類など、不健康な食事に由来していることがわかった。しかし、睡眠時間が不足しているグループでは、より多くのカロリーを摂取していることが判明した。また、栄養素に乏しいおやつをより多く食べている傾向も明らかになった。

さらに、間食の時間帯にも異なる傾向が出ている。研究では1日を3つの時間帯に分析し、午前2時から正午までを「午前」、正午から夕方6時までを「午後」、それ以降を「夜」と位置付けた。十分な睡眠をとっているグループに比べると、睡眠不足気味の人々は間食の一般的な時間帯である午後にはあまりスナックを口にせず、代わりに深夜を含む「午前」の時間帯におやつを摂りがちになっている。スナックには、炭水化物、砂糖、脂肪、カフェインなどが多く含まれ、とくに深夜帯での摂取は体重増の原因になることがある。

◆深夜帯のおやつにさよならを
研究を主導したテイラー博士は、管理栄養士としての顔をあわせ持つ。博士は睡眠時間が少ないことが不健全な間食につながる理由として、2つの原因があるのではないかと考えているという。1つ目は単純に起床時間が長くなり、より多くのカロリーを摂取してしまうことだ。さらに2つ目の要因として、夜更かしをするほどきちんと調理された食事でなく、手軽なスナック類で空腹を満たしがちになる。こうしたことでおやつを栄養源とすることが多くなり、野菜やフルーツ、全粒穀物といった健康的な食品群から遠ざかってしまうと考えられる。

オハイオ州立大学は本研究を紹介するリリース(9月20日)を発表し、「睡眠の推奨事項を満たすことで、よりスマートな間食につながる可能性がある」と述べている。早めに就寝すれば夜食を避けることにつながり、おやつを食べるとしても自然と午後の時間帯に済ませることができる。規則正しい睡眠の習慣は、スマートな体型の維持に役立ってくれる可能性がありそうだ。

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Text by 青葉やまと