眠りの浅い人はストレスに弱い可能性 米大がマウスで実験
◆ストレス耐性があると、快眠を維持しやすく
さらに、ストレス耐性の強いマウスたちは、ストレスを受けた後の睡眠パターンも比較的正常時に近い形を保てることがわかっている。実験環境は12時間ごとに照明がオン・オフするようになっており、自然界の昼夜を再現している。ストレス経験後、ストレス耐性の弱いマウスたちは眠る時間帯を問わず、以前と同様にノンレム睡眠が中断されやすい傾向が続いた。一方、ストレス耐性の強いマウスたちは、夜間の睡眠についてはノンレム睡眠の中断が観察されたが、昼間の睡眠時にはストレスの影響が見られなかったという。
これらの研究結果は「Abnormal Sleep Signals Vulnerability to Chronic Social Defeat Stress(睡眠異常が慢性的社会的敗北ストレスへの弱さの兆候を示す)」とのタイトルで論文にまとめられ、神経科学ジャーナル『フロンティア・イン・ニューロサイエンス』に掲載された。
◆人間のストレス耐性判断に道
研究グループは論文(1月12日)のなかで、これまでにも睡眠から情動障害の兆候を探る研究は数多くあったとしながらも、「しかし、慢性的な浅い眠りと慢性的ストレスに対する弱さを実験動物によって調査したものとしては初の研究である」と述べ、実験の新規性を強調している。
今回の実験はあくまでマウスによるものだが、将来的には人間の睡眠サイクルを分析し、ストレス耐性の強弱を判定できるようなテストが整備されるかもしれない。ニューヨーク大はリリース(1月12日)のなかで、「これらの重大な発見は、将来的なストレスに対して誰が弱い(あるいは誰が強い)かを検証する睡眠テストの開発につながる情報源となる可能性がある」と述べている。
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